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坂東武者ブログ

早慶の生き証人

投稿日時:2013/09/09(月) 10:01

 9月1日、横須賀高校にサクラのジャージの翼がやってきた。といっても、過去すでに何度も横須賀高校を指導しにきてくれている早稲田大学の荻野選手だ。この夏は早稲田のWTBとして活躍するだけでなく、地球の裏側・チリで行われた世界大会にU20日本代表の不動のスタメンWTBとして出場している。
 高校からラグビーを始め、僅か数年でこの飛躍。その裏には、考え抜かれた個人練習メニューと独自の感覚が存在する。それを少しでも伝えてもらいたくて依頼。夏合宿直後にも関わらず、横高までやってきてくれた。

 この日は15対15が中心の練習。FBのアキヒコらを荻野さんにぴったり張り付け、「このとき何を思い、何をすべきか」などのアドバイスをもらった。プレーに加わっていただいたときは、想像通り異次元。触れる可能性を全く感じないまま、ズタズタに引き裂かれた。


 そんな練習中、不意にグランドの脇に大きな身体の男性が一人。よくみると横高ラグビー部OBの須永さんだ。慶応大学⇒ホンダ(当時トップリーグ)で活躍し、引退してから最近は慶応大学のコーチを務めている。そんな偉大なOBがグランドに現われたのを、無駄にするわけにはいかない。すぐに「このあとFWをコーチングしてもらえませんか」とお願いし、グランドに引きずり込ませていただいた。
 15人練習の後はFWBK分かれ。FWは須長さん、BKは荻野さん。なんとも贅沢なコーチングセッションが行われた。
 
須永さん
『自分をごまかさず、自分に厳しく、仲間に厳しく、心技体を鍛えてラグビー道を突き進んで欲しい。自分に嘘をつかず、やりきったという自信が大切です。
自分に関係なさそうなミスでも、自分に何かできなかったかを考えること。自分がもっと何かできたんじゃないかと。ミスをしたあいつが悪いで終わったらそれまでです。
花園予選までの残りの期間、歩んできた道を信じて、松山先生を信じて思い切りやって欲しいと思います。』
 
荻野さん
『一人ひとりの長所を伸ばして欲しい。僕は走ることが得意だったから、走る練習をたくさんしました。桐蔭のトイメンにも、これだけは負けないというものを作ることが大切です。頑張ってください。』
 
 公立校から日本のトップレベルまで上り詰めた二人の先輩。「こだわりと情熱と工夫」が環境を凌駕する。現役生徒たちは二人の生き証人の姿を忘れずに、大志を抱いて欲しい。