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塩島組、初陣勝利 & 60周年記念式典のお知らせ

2015/12/14

 敗北の要素は、揃っていた。
「宇野組が抜け、フィニッシャー、コントローラー、ハードワーカーの全てがいなくなり、公式戦出場ゼロの初心者1年生たちが過去にない程、大量にスタメン入りしていること」
「対する桐光学園は、秋の大会のプログラムによると2年生だけで19名(横高の倍以上)、それに加わる1年生には東京都スクール選抜で中学花園を経験し、国学院久我山からも声がかかった選手もいるという自信の代だということ」
「戦術を大きく変えたばかりだが、テストの関係でまだ一度たりとも新チームで練習試合をやっていないということ」
「チームの運営方法や練習方針も大きく変えたばかりで、まだ失敗と試行錯誤の日々だということ」
「週間天気予報を裏切って降りしきる雨。雨ゲームに必要なモールもキックチェイスもカウンターも、新チームは全く準備ができていない。対する桐光は185cm、183cm、180cmなど、分かりやすく大型のモールチームだということ」
 敗北の要素は、これでもかと揃っていた。

 1週間前、それでも闘志や向上心の見えない態度で練習をこなす(演じる)1年生たちに、口を挟まざるを得なかった。
「このままじゃ絶対に負けるよ。ノーシードに負けるのは、俺が就任する直前の柏陽戦以来、約6年ぶりの屈辱を味わうよ。間違いなく負ける。」
 「屈辱や痛みもIndependenceには必要」と分かってはいたが、せめて現状認識と危機感だけは持たせておきたかったからだ。「このプレーでこう戦え」を上から与え、勝利を近づけることならきっとできた。しかしこの試練は「Independence」に向けた自信を掴むチャンスでもあった。私からは、雨ラグビーのセオリーの明示と、リーダー陣の思考回路の確認に留めた。

 ゲーム展開は、雨の日の一般的なトライ手段が「ラインアウトモール」であることを考えると、「いかにペナルティーをしないか」こそが最大の鍵だった。にも関わらず、ゲーム経験の少ないメンバーたちがペナルティーを連発して自らの首を絞め続けた。長い時間、桐光のサイズを活かしたモールラグビーに、はまってしまった。

 しかし、キャプテン・コウタロウが掲げたこの日のDF目標「体を張る」を立派に成し遂げた。危惧した1年生たちが穴になることは全くなく、闘志をもって前に倒し続けた。強かった代の先輩たちにも胸を張れる、堂々たるタックルを続けた。
 アタックは2年生たちが実力を発揮し、1年生たちが必死に役割を果たした。AT目標「仕留める」の精度も良く、着実に得点を重ねることができた。

 最終スコアは「27対7」。課題が多く出たことなど当たり前だ。新しい代の初戦なのだから。「体を張る」という最も大切なことを成し、勝って反省することができた。戦前に頭に浮かんだ数々の負ける要素を全て克服し、塩島組の記念すべき1勝目を掴み取った。

 
コウタロウ
『自分たちの代の初戦を勝利で飾ることができ素直に嬉しいです。しかし、ミスが多く、課題の残る試合でもありました。それぞれ個人での課題が多くみつかり、やることが明確になったので来週に向けて良い準備をしていきたいです。』

シュウヘイ
『塩島組の初試合で勝利することができ、嬉しく思います。個人やチームとしての経験の浅さやスキル面等、反省すべき点は数多くありますが、日々の練習の一回の積み重ねや目の前の一戦一戦を大切にして、チームとして成長して行くことができるよう頑張っていきます。』

コウイチロウ
『ノーサイドの瞬間はただただ嬉しかったです。横須賀高校のファーストジャージを初めて着る試合だったので、負けられない責任と不安で試合前はとても緊張していました。試合は、自分達がやってきたアタックが通用するところもあり、トライにつながりました。ディフェンスでは、前より成長したけれどまだまだ甘いところもあったので、そこを修正して横浜栄高校戦に臨みたいと思います。』
 

 この試合、実はメンバーは18名(15+3)しか登録していなかった。選手数は25名、ケガ人はゼロ。つまり、7名が「ファーストジャージを手にするに未だ値せず」と、厳しいようだが判断した。彼らが今の段階でファーストジャージを手にしたとしても、得られるものなど何もない。順番待ちで降ってきただけだ。掴み取った自信も感動もないだろう。自他ともに認める努力と態度が伴ってこそ、手にすべき神聖なジャージ。歴代の先輩方が、挫折と苦悩の先に掴み取ってきたジャージなのだ。

 そういう面では、実は18どころか12名程度しか例年のスタンダードには届いていなかった。技術や能力がではない。心と態度。本気度と覚悟。
 心は簡単には変わらない。まずは行動を一つずつ変えていくこと。継続すべきことをサボらず継続し、心を整える行動を淡々と行い、いつでも迷ったらしんどい方を必ず選び、ベクトルをいつでも自分自身に向け、自分のすべきことをする。私生活も含め裏表なくそれができれば、いつの間にか心が変わり、努力の質が変わり、プレーと能力が変わる。視野と志も変わるだろう。
 まずは目の前の一つずつ。運命を変えるカギは、常に目の前にある。


 
60周年記念式典のお知らせ
OBの皆様、すでにご連絡済みかと思いますが、以下の通り記念式典を行わせていただきます。

日時:12月26日(土曜日)
場所:ヴェルクよこすか(横須賀市勤労福祉会館)6Fホール
12:30 受付開始
13:00 開演
16:30 閉会
(午前10時から大津公園グランドでOB大タッチフット大会も企画しています。担当は高59期の池添正剛です。まずは体の水分を楽しく抜きましょう!)
 
 式の内容につきましては、格式ばったことは一切せず、とにかく楽しい同窓会のような宴とさせていただきたいと思っております。
 鈴木洋一先生、上遠野先生、吉川先生、坂本先生、伊藤先生など、歴代の先生方にもお越しいただく予定です。OB会費納入をすっかり忘れてしまっている方でもそんなことはこの日は全く気にすることなく、お誘い合わせの上、楽しく飲むためだけに、ぜひお集まりください!!




 

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