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『シード校との総力戦』 vs平塚学園 &1年生初試合

2010/06/01

 怒涛のシード巡業第3回目。この日は平塚学園と練習試合を行った。Aチームが1試合(30×2)、Bが1本(30×1)、そして1年生試合(15分×2)。県屈指の部員数を誇る平塚学園と、まさに総力戦が繰り広げられた。

 この日のテーマはディフェンスのみ。アタックはまだ大枠のイメージを理解した程度で、ほとんど手をつけていない。5月から取り組んでいるDFを軸に「ロースコアでのシード校倒し」を目論んだ。

 キックオフからしばらくは横高が完全に主導権を握る。1年生司令塔・KFCが作り出すテンポのよい連続攻撃で相手を崩し、エース・アルが仕留める。力勝負でも突破力のある両CTBとFWが接点で優位に立ち、スクラムは圧倒。開始15分で早々と3トライを奪った。しかし3つめのトライが分岐点。挑戦者であるにもかかわらずプレーも気持ちも緩み、先月までの悪い癖があっという間に露出。闘志の感じられない高いタックル。あいまいで責任感のないアタック。さらにはラインアウトの自滅。支配できるゲームを支配しきれず試合は進んだ。それでも最後15分はFLたくあんのビッグタックルなどで「意識」を取り戻し、「54対14」という思わぬ大差でシード校平塚学園を破った。

自覚がパフォーマンスに現れてきた。エース・アル

 

 続くB試合ではフレッシュなメンバーが長所を発揮。プリンセスかなやまのシャープなアタックとタックルがチームを引っ張る。うっちーの鋭いタックルや、成長真っ只中のフリーザの真面目で献身的なプレーがチームを支え、「28対5(30分1本)」で危なげなく制した。

走攻守嗅覚本能、すべて万能・ボビー

『結果にこだわるという点では今回の試合は良い結果だったが、自分個人としては課題が残る試合でした。今回の反省をいかして6月からは基礎を固めて行きたいです。』

ダイスケ (キャプテン)

『ベスト8のチームに勝つ事はこれからに向け大きな意味があるとチームで統一していたのでまず勝ててよかったですまだまだ修正点があるのでこれから修正していきたいです。個人的にはもっと対人の強さとラグビーのイメージをつけていきたいです』

 

 そして最後は1年生試合。高校からラグビーを始めた11名にとっては、一生記憶に刻まれるに違いない、人生初試合だ。この1年生。上級生の試合にすでに6名が出場するなど横高史上最多?7名の経験者を抱える学年。しかし対する平塚学園は20人以上の入部者を確保し、経験者も複数加入し、運動能力も非常に高い期待の世代というのが戦前情報。お互いのチームがこの1年生試合に対して、実は内心自信を持っている。これから続く3年間の勝負の第一歩となった。

 試合はというと、終始横高1年生が圧倒。ついにベールを脱いだ最新入部者・パパがキックオフボールを取るや毎度のごとく3人以上は蹴散らしたり引きずったり。経験者のプレーが圧倒的であったことは言うまでもないが、HO・おっさんやWTB・りょーちんの思い切りのいいプレーは試合に勢いを与え、公立高校の1年生試合とは思えない光景が繰り広げられた。

ちょーちんは躍動感溢れるランニングに加え、正確なキックも。

 

「試合らしきことをやりながらルールを覚える」の目的をはるかに超えた「立派なラグビーの試合」を演じ、わずか15分×2でスコアは「57対0」。友達と公園で遊びまわるかのような無邪気な雰囲気で、人生初の試合を派手に制した。グランドサイドで見守った1年生MGは「これで過信して調子乗らなきゃいいんだけど・・・」と漏らすが、その顔はもちろん嬉し恥ずかしい感じの笑みが浮かんでいた。

JP(この試合のキャプテン)

『上級生たちの試合では、声を出すことが上手くできず、テンポの速いラグビーについていけずに中途半端な結果になってしまいました。1年生の試合では細かいミスはあったけど、プレッシャーも無く思い切ったラグビーができて楽しかったです。今日はNo.8もできたし、たくさん学ぶことができました。』

おのちゃん(嫉妬した先輩BKから絡まれるほどの活躍・この日のMVP)

『今日の試合でまずよかったことは、楽しんでラグビーができたことです。こんなに楽しいスポーツなのか、ということを実感できました。細かなミスはあったけれど、あまり気にせずに伸び伸びとプレーすることができました。個人としては、もう少しパスを回せたらみんなボールをたくさん触ることができたのではないかと思いました。みんなの力があってこその勝利なので、これからもチームワークを大切にしていこうと思いました。今は勝ったけれど、相手もこれからもっと強くなると思うので、自分もそれに負けず強くなりたいです。』

まっちゃん(記念すべき初トライ!)

『初めてのラグビーの試合でプレーの流れや自分は何をしたらいいのか迷う場面が多かったです。でもチームのメンバーと共に、ラグビーを全力で楽しめたと思うし、仲間との信頼関係も深まったと思うので、とても収穫の大きい試合になったと思います。』

パパ(奥中央 一目瞭然の強烈インパクトプレーヤー)

『思ったより痛くなくて危なくなかった。攻めてると楽しかった。試合終わったときにもっとやっていたいって思った。けっこう疲れた。あんまりボールがこなかった。なんとなくルールがわかってきた。スクラムが大変だった。もっと足早くなりたいとおもった。』

 もっとやりたかったり、何もできなくて悔いが残ったり。それぞれの思いを胸に、人生で一度きりしかない「初めての試合」を終えた。アドレナリンが体内を駆け巡り、思ったよりも痛くなかった。「こわい」と思った瞬間も何度かあったが、それでも体をぶつけ、そんな自分をちょっぴり見直した。興奮しっぱなしで試合が終わると、なんとも言えない爽快感があった。興奮は自宅に帰った後の夜も若干残った。翌朝はなんだかあちこち体が痛かったが、悪い気持ちはしなかった。たった半日ぶりに顔を合わせた同期の仲間たちは、なんだか少し頼もしく思え、次の試合が早くやりたいと思った。

 そうなのだ。これがラグビーの悦びなのだ。これから3年間、これらに悔しさや怒りや不安、または信頼や絆や愛情、感動、その他数えだしたらきりがないエッセンスが加わり、高校ラグビーの思い出は一生涯の宝物となる。練習もウェイトも走りこみも食事も、仲間と一緒にそんな高校ラグビーを楽しんでいこう!

 

 

追加記事

 この試合の前日、ブラックホースと横高ラグビー部の合同練習が行われました。横高ラグビー部OBが主体となっておりクラブチームと活動を共にすることの意義ははかりしれません。横須賀高校ラグビー部は「高校の部活動」にとどまらず、、「クラブ」にしていきたいと思っております。卒業生にとっていつでも帰れる「人生のホームポジション」であり、その家族も友人も、横高ラグビーにちょっとでもかする誰もがいつでもどんな形でも参加できるクラブが理想です。

 「横須賀ラグビースクール⇒横高ラグビー⇒ブラックホース」という、「ゆりかごから墓場まで横須賀ラグビー」というのが最高の姿です。もちろん、いつでもどこの誰でも参加できるオープンクラブです。コミュニティーと言っていいかもしれません。スポーツ文化の比較において、海外と日本の環境は、良くも悪くも異なります。入試の壁、勤務地の異動など、理想どおりにはいきません。それでも近づきたい理想郷が「横須賀ラグビークラブ」です。

 この日のブラックホースとの合同練習は、翌日の平塚学園戦圧勝の要因になっただけでなく、大きな大きな意味を持つ時間だったと思います。ブラックホースの皆さん、本当にありがとうございました!そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

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