大きくする 標準 小さくする

東海大相模戦 『過去と未来の必然』

2010/07/12

 こうなることは予想できていた。むしろ期待していたのかもしれない。花園予選が唯一無二のターゲットと決まっているので、ストーリーとしてはどこかで挫折と屈辱があってよい。「理由が明らかなら」それらは奮起、ときとして飛躍のきっかけとなる。7月10日、関東大会出場の強豪・東海大相模と対戦し、7-38という屈辱的大差で敗れた。実は必然の結果。理由は長い試験休み明けだったからなんて低次元のものではない。横高ラグビー部が練習をしない集団だったからだ。もちろん、個人練習や自主練習という意味だ。OBの皆様にとっては不快な内容かもしれないが、今回は事実をレポートしておく必要がある。

 4月に赴任して以来、本当に不思議に思い続けてきた。「このチームはなんでこんなに自主練習をしないだろう?」と。目標はシード破りと定めている。ならばそれに見合う努力をしなければ、ただの3流青春ドラマの雰囲気に酔っただけの茶番だ。

「横高は自主性!」とどこかで何度か耳にしてきた。「見せてもらおうか」と観察すること3ヶ月。ごく一部がごくまれに個人練習している姿しか見られない。いくら待っても朝練に集まる雰囲気が生まれない。全体練習開始前の貴重な十数分間、「この合間こそが」という時間はきまっておしゃべり。2ヶ月も経たないうちに、実は断定していた。「現状における横高の自主性とは、大学ラグビー中堅チームにみられがちな、自主性をかざした怠慢放任崩壊とおおむね同じありさまだ」と。

セットプレーの崩壊が試合を大きく崩した。

 4月当初はウェイトトレーニングすら、まったくと言っていいほどやっていなかった。やり方も悪い意味で適当。栄養に関する意識と知識は驚くほど低い。なにしろ体作りには時間がかかる。筋肥大が始まるのが3ヶ月目から。つまり3年生にとってはタイムリミット間近。よって一刻も早く組織化した。

「スキルは反復練習が大切」これはジャパンであれ海外の選手であれ口にする、分かりきった真理だ。「パスやスローは放った数だけ上手くなる」「キックは蹴った数だけ」「タックルは入った数だけ」。日本の高校生にとってもウィルキンソンやダン・カーターにとっても、当たり前のことだ。スクラムとラインアウトに関して、求める最高レベルのソフトは小澤さん(日藤監督)と中本さん(中京大監督)に注入してもらった。「あとは数だけ」と2人から送り出されたのに、全く数をこなそうとしない。全体練習以外に、自分たちで決めて時間と量を確保しない。

 「シード撃破という目標に向けて、リアルに見合う努力をしたのか」は相対的なものだ。シードの8チームがたくさん努力したらら、もっと努力しなければならないのだから。そして今日も明日も明後日も、県内のすべてのチームが「花園出場」なり「シード破り」なりに燃えて努力している。朝早くか夕方遅くか、SHはパスで、SOはキックで延々とネットを揺らす音を立てているだろう。FLとCTBはタックルバッグが直立不可能な折れ癖がつくまで、くの字に曲げているだろう。神奈川県の話、あるシード校のSHは、連日一人きりのパス練習を8時間続けた。ある公立高校は毎日昼休みに全員集まって体幹トレーニングをやっている。ある私立高校は毎日昼休みに全員でビデオを見ながら昼食をとっている。例を挙げだしたらきりがない。同じ24時間365日の中で、ライバルたちだって高みを目指して努力の日々を重ねているのだ。

 「努力は裏切らない」何度聞いても耳を素通りしそうなありふれた言葉だ。ある面では正しいが、ある面では偽りかもしれない。しかし努力なくして成長の道がないことは分かりやすい真理だ。そして努力に裏付けられたスキルやチーム力は、揺るぎない自信につながる。1本のステップ、1本のタックル、1本のラインアウト。成分表示するなら、もしかしたら40%は「自信」なのかもしれない。「自信」の原材料は、やはり「努力の量」。もっと具体的に言うと、「計画的で継続的な努力。数、時間、本数」だ。

 この試合の翌日から、チームスキルに着手した。正直言って、タックルもパスもキックも、基本スキルが必要レベルまで高まったとは到底言えない。しかしもう花園予選まで時間がない。ここは選手を信じ委ね、チームスキルに移行した。

 10月の花園予選。個人として、チームとして「勝つためにやるべきことは全てやり尽した。負ける要素は1%も存在しない」と言い切ることができるか。周りに流されずに、一人きりで己を変えることができるか。そんな一人ひとりが構成するチームなら、どこにも負けないはずだ。

てつ

『ベスト8の壁は高い。しかし、手が届かない高さじゃない。そのことを実感することが出来た。特に、アイデンティティーであったDFは通用している様にも感じた。しかし、トップレベルの知識を手に入れていたセットプレーで結果を出せなかった。同じポジションの相手に何人が勝っていただろう。自分たちの練習不足を叩き付けられた。

チャレンジャー、そんなことを今の横校が言って良いのだろうか?チャレンジャーと言えるだけのことをしてきただろうか。

最後に
1月10日、5対14
あの日の涙を、悔しさを、過去のものにしないで欲しい。』

 

[補足]

 1年生試合(15分×2)は、二十数名のほとんどが経験者というサラブレッド集団(相模1年生)に対し、「29-14」の快勝!雨の日だって毎朝数キロ校内を走っているちばちんが相手をステップでかわして50m独走したトライは、努力の結晶でした!

ちばちん

『相模戦では、トライを決めた時に不思議なことに頭が真っ白になった。きっとそれは、トライを決めた嬉しさより、今まで努力してきたことが結果に出たからだと思う。これから先、うまくいかないこともあると思うけど、チームの勝利に貢献できるように頑張って行きます!』

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