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至福のコーチング 『英雄、来たる』

2010/10/04

 花園予選まであと2週間、チームは戦術の習熟と並行して、フィットネス強化に励んでいる。走って走って走りまくって。まさに正念場だ。そんな中、体は重くても気持ちが躍るビッグゲストが土、日と連続で横高グランドを訪れてくれた。

 2日土曜は関東学院との合同練習。試合形式で短時間戦った後は15対15の実戦練習。シード校相手に戦術を遂行するためには、どのパーツの詰めが甘かったのかを再確認。とても貴重な経験を積むことができた。

 さて、関東学院に縁があってこの日同伴したコーチ。185㎝100㎏が公称だが、もっとでかく見える(体重は絶対に嘘だ)。只者ではないという表現などとても使えないほどの超有名人、石川安彦さん。高校日本代表のエースとして早稲田大学に鳴り物入りで入学。1年目の早慶戦で大暴れし、「怪物」として日本中に名を轟かせた。4年時にキャプテンとしてチームを率いたときの2年生部員が私という関係だ。

 卒業後は東芝ブレイブルーパスや三洋ワイルドナイツ、イングランドのRosslyn Park RFCでプレー。ジョナロムーのごとき突進を見せるかと思えば、しなやかなステップも踏む。かと思えばやっぱりハンドオフは超強烈…。学生日本代表・U23日本代表にも選出されている。そんな名実(体)ともに大きな存在。豪快明瞭にして包容力のある優しい性格は相変わらず。この日も完全下校ギリギリの夜遅くまで、マンツーマンでプレースキック指導を行ってくれた。

石川さん

「まず何より、生徒の礼儀正しさや誠実な印象に感動しました。私自身、スポーツを通じて人格を育成したいと常々思ってやっているので、横須賀高校の姿はいい意味で衝撃を受けました。謙虚で誠実な感じがプレーにも現れ、松山先生の性格や方針が滲み出ているなぁと、本当に感動しました。」

コボちゃん

「石川さんは、とても大きくて本当にBKだったのか?と思いました。こんな選手が対面だったら嫌だなぁって。でもとても優しくて、今までに知らなかったことをいろいろ教えてもらえました。あとはたくさん蹴って自分のものにしたいと思います。本当にいい体験でした。」

 

 続く3日日曜は、2名のビッグゲストが来校。私からの依頼を快く受けてくれ、遥々来てくださった。二人とも「早稲田→リコーブラックラムズ」という経歴。一人は武川正敏さん(以下、敬称略)。横高が勝つために必要なパーツを考え、その道のスペシャリストを日本中から想像してみたとき、一番に頭に浮かんだのが武川だった。偶然にも石川さんと同じく日川高校出身(山梨)。武川は私が大学4年生のときの2年生。AやBでハーフ団を組んで数多くのゲームを一緒に戦った。しかもラグビー部寮では私の部屋っ子(当時は6畳に2段ベッドと机2個置いて二人)。寝食までも共にした仲だ。

 体は小さい、足も速くない。強くもないし、ステップもさほどキレるわけではない(ゴメンネ武川)。しかし早稲田の司令塔として3年近く君臨するほどの高い技術を持っている。独自の間と、目の使い方、体の使い方で相手をスルスルと抜き去る(相手が勝手にいなくなる)独特の技を持ち、そして誰よりも「考えてプレーする」選手だった。2001年の早明戦では、後半ロスタイム1点ビハインドでPGを選択。国立競技場だけでなくNHKを通じて日本中がその一蹴りを固唾を飲んで見守るというプレッシャーの中でゴールキックを決め、11年ぶり早稲田対抗戦優勝に導いた張本人だ(「You tube」で早明戦2001年ロスタイム大逆転劇の映像が見れます)。

武川さん

「横須賀高校の生徒たちからは、すごく素直で真面目な姿勢が感じられ、本当に上手くなりたいという気持ちが伝わってきました。これからも頑張ってください!」

 

 もう一人は、横高生徒にとって憧れの存在。池上真介さんだ。ラグビー界で「横須賀高校」という文字がTVを通じて日本中に知れたのは、間違いなく池上選手がアカクロジャージを着て活躍したときだろう。横高ラグビーOBとして大学日本一を経験したのもトップリーグ選手となったのも池上選手が第一人者(その後臼井選手[早稲田→NEC])。石川さんも武川も最近現役を引退したが、池上選手は現役真っ只中。相変わらずの肉体と眼光だ。誠実な心、文武両道から逃げない姿、言い訳を排してラグビー選手として結果を残す熱い魂。現役生にとっては「憧れ」で終わらせることなく、「見本、目標」として目に焼き付けてほしい存在だ。

池上さん

「キャプテンダイスケのリーダーシップを強く感じ、チームが自立したうえで一つにまとまっている印象を受けました。このまま一丸となってシーズンに臨んでください。応援しています!」

バズ

「今日は県横OBでトップリーグで活躍されている池上さんと武川さんが来てくださいました。池上さんは残念ながら怪我でプレーを見せて頂くことは出来なかったのですが、武川さんにはBKの事やキックの事など本当に色々な事を教えてもらいました。花園予選まであと少ししか有りませんが、今日の知識をしっかり反復して自分のものにしたいです。武川さん、池上さん本当にありがとうございました!」

ケンタ

「とても充実した一日になりました。一つ一つのドリルでは、わかりやすく的確なアドバイスをして頂き、キックに関しても、確かな手応えを掴むことができました。少しでも学びとろうと思いノートをもっていったのですが、勉強になることや感心してしまうようなことまで様々な事を教えていただき、メモが追いつないほどでした。今日教わったこと、感じたことをしっかり反復して、自分のものにしていきたいです。武川さん、池上さん、本当にありがとうございました!」

締めのフィットネスまで、ガッツリお願いしました。

 

 どんな偉大な選手でも、「反復」の道は決して避けていない。今週も最高のコーチングを得ることができた。あとは延々と反復練習するだけ。何日も、何週間も、何か月も。その先に、道はきっと開ける。

 

 いよいよ次の週末が最後の土日練習となった。3連休、すべて私の古巣・柏陽高校と合同練習を行う。公立高校ナンバー1を争うライバル(春は5-5)。同時に打倒私立シードを本気で考え、日々過ごしている同志だ。この3年間、運命的な関係にあった両チーム。ともシード私立を倒し、準決勝で対戦できることを目指し、この3連休は同志としてタッグを組む。

 

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