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『完徹』 5年ぶり7回目の関東大会出場!

2011/05/07

 『完徹』これは「貫徹」の漢字間違いではない。試合前にキャプテン・たいちが立てたゲームテーマだ。アタック、ディフェンスともに自分たちのスタイルに『完』全に『徹』し切ること。そんなテーマを見事に達成し、稲垣組は5年ぶり7回目の関東大会出場を決めた。
 かつてこれほど自信に満ち溢れた決戦はない。連日のフィジカルトレーニングなど積み重ねた努力、自信をつけた山梨日川遠征、ブラックホース(社会人)との実戦練習、練習試合とはいえ慶應戦の勝利、GWの集中強化期間、最後の危険を事前想定させてもらった静岡高校合同練習。何もかもが完璧ともいえる準備ができていた。

 私が密かにノートに書いていたテーマは『完全支配』。ジャージ授与式でキャプテンがホワイトボードに書き入れたテーマは『完徹』。見事なまでの一致に、勝利の確信は強まった。そして、ジャージを手にしたケンタが『少しまずい。油断すると足元を救われる。俺たち横高はチャレンジャーだということをもう一度自覚しよう』と、私の抜け目を補うコメントをしたとき、集団としての大きな成長に感動を覚えた。

 
11:15 キックオフ
 序盤から湘南工大のアタックが約5分間15フェーズ続く。自陣で我慢のDF。積み重ねてきた「ペナルティーしないDF」で全くゲインされることなく耐え凌ぎ、敵陣へ。前半15分、チャンスを逃すことなくインゴールに飛び込み、先制トライ。
 前半は湘南工大の意図するアタックを耐え凌ぐ場面が続くが、ブレイクダウン周辺の圧力で相手のミスを誘い、ピンチには至らない。敵陣に入ると、南アフリカのブルズ式キック処理でエリア戦優位に立つと、今度はBKが準備したアタックで相手BKを裂き、インゴールを見事に陥れた。ラスト10分も安定して守り抜き、「14-0」で前半終了。
  

 強豪に対する「善戦」もしくは「途中までリードでも結局は惜敗」。気合いと覚悟がある程度影響するラグビーでは、頻発する結果だ。では、善戦や惜敗は「あと一歩」か。実は全くそうではないことが多い。格上に対して「惜敗」と「勝ちきる」の間にある壁は、かなり高い。その壁を乗り越える力を手にしたとき、「確固たる自信」がもたらされ、チームは一段ステップアップするのだ。
 そのステップを上ることができたのは、直前練習試合の慶應戦。相手は昨春の覇者。その慶應に、善戦惜敗ではなく勝ち切った。その経験が後半に生かされ、全く浮つくことなく後半も自分たちのラグビーを『完徹』した。

 後半は一転して攻めまくる横高。それを耐え凌ぐ湘南工大。攻める方と凌ぐ方では、疲労度が全く違う。フィットネスの我慢比べで優位に立つと、いよいよ力づくでインゴールに迫った。ヒカルの度重なる爆発的な突破でチームを勢いづけると、自慢の両プロップがひたすら前へ。次第に湘南工大にキャッチやキックにミスが現れるようになり、試合は『完徹』ノーサイドへまっしぐら。終了直前には、試合の課題にしていた「ゴール前10mの世界」も耐え凌ぎ、「36-0」という見事なスコアで準決勝進出。そして悲願の関東大会出場を決めた。
 
  
たいち
『去年の自分達は本当に下手くそで、レギュラーも後輩に取られるぐらいで正直関東大会なんて夢のまた夢の存在でした。それが松山先生が来られて、本当に努力してきたからこの結果につながったんだと思います。そして、この結果は自分達だけでは絶対に達成できませんでした。OBの方々や保護者の皆さんの応援あったからこそ、達成出来たんだと思います。これからも応援お願いします。』


 ショウヘイ
『まずはみんなお疲れさま!そしてありがとう。稲垣組が発足した頃は関東大会に行けるなんて夢にも思ってなかった。でもここまで来れたのは先生や保護者、OBの方々やマネージャーの支え、そして俺達の努力があったからだと思う。ラグビーが出来る事に感謝して、次も絶対に勝とう!』

タケヒロ
『湘南工科の手強いモールディフェンスにはなかなかやられましたが、今までこの日のために練習してきた甲斐があったなと思いました。ゲーム前にキャプテンが掲げた「完徹」というテーマも達成でき本当に良かったです。次も自分のこだわりの部分を全面に押し出して頑張ります。』
 
ヒロト
『アップの時から武者震いが止まらず早くやりたかった。この試合に向けてプランもそれに見合うフィットネスも完璧に仕上げていた。それをいい感じにうまくできたからいい結果がついてきてくれたと思う。今回は相手がバックスチームだったなかバックスから点を取ることができて新人戦から成長できたと思う。次は全国覇者の桐蔭であるが、今日のコンディションにより出すことができなかったプレイを出し切りチャレンジしてみたいと思ってます。いつも応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。』

ヒカル
『今日の試合は負ける気がしなかった。自信過剰や、相手を甘くみてると思われてしまうかもしれないが、それとはまた別のものだった。よい練習を重ねた自信があったから、負ける気がかけらもおきなかった。試合前日ではみんな落ち着いた感じでよい状態で試合にのぞむことができたと思う。試合では部員全員が全力で戦え、よい結果で終われた。いつもはあまり走れていないプロップも走っていた。1人1人が自分のために、チームのために全力になれていた気がする。こんなに楽しい試合は過去にはなかった気がする。この試合で関東大会が決定したが次の試合も負けていいってわけじゃない。全力で勝ちにいく。そのために全力になる。今日の試合ではチームにとってよいものが残ったと思います。これからも勝ち続けていきます!』
 
ひろし
『今日までみんなでフィットネスや二部練などを乗り越えてきたのでアップから楽しむことが出来ました。しかし課題も出たのですぐに修正したいと思います。』
 
まっすー
『この試合に勝利できたのは、チーム全員がこの仲間たちと関東大会に行くんだという気持ちが強かったからだと思います。みんながみんなチームのためにベストを尽くしていたし、このままチームが一つにまとまって努力すればもっともっと上を目指せると思うので、これからも一日一日を大切に頑張っていきましょう。』

ヒロキ
『関東大会に出場するために今まで練習してきて、遂に出場を決めることが出来ました。このラグビー部のメンバーで関東大会に行けることが本当に嬉しいです。次の試合は日本一のチーム桐蔭学園ですが自分達の力がどこまで通用するかではなく、なにがあっても諦めずに絶対に勝ちにいきます。』 
 
こっぺ
『熊坂組が引退したあと、誰が、稲垣組がここまでいくと思っただろう…。でも目標に掲げた関東大会出場、ベスト4、達成出来た これはチームのみんなが努力したからだ。だからこれからも驕らずにこの稲垣組のみんなでやっていこう! アゲアゲ!!!!』
 
くわまん
『正直、自分達がここまで来れるとは、少し前までは思っていませんでした。だけど、今日まで積み重ねてきた努力は、決して裏切りませんでした。その結果がこうして形になって、本当に嬉しいです。しかし、まだまだ上を狙えるとおもうので、より一層練習を積んでいきたいです。』

 

 本人たちの自覚している通り?近年で最も才能にも選手層にも恵まれていない稲垣組。3年生はたったの10名。うち経験者は僅か2名。授業の体育ですら「5」がつく選手は皆無。だからこそ、素直に愚直に努力を重ねてきた。浮津組に心底憧れ、熊坂組に男の背中を見せてもらった。50年以上の歴史のすべての先輩方が、結果が出た代も出なかった代も諦めずに戦ってきた伝統に感謝し、継承した。すべての方々への感謝の気持ちが湧き出る関東大会出場決定だった。
 次の相手は全国チャンピオンの桐蔭学園。新チームになってからも国内無敗の関東チャンピオンだ。横高の先輩方が残してくれた伝統の心理。「イッパツヤッタロカ!」

 

 

  

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