神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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神奈川一次合宿記 『ニュースタイルへの挑戦』
2011/08/05
7月29日~8月3日、5泊6日の神奈川一次合宿を行った。ただし、夜はそれぞれ自宅に帰る。いわゆる「通いの合宿」。6日間で計10回(5練習&5試合)。ターゲットは、関東大会までの戦術と正反対の『ニュースタイルラグビー』への挑戦だ。全くやったことにない種のアタックとディフェンス。なかなか上手くいかないことは百も承知。新しいことをやり始めるとチームが格段弱くなるのも承知。しかも今までの強みを捨て去った戦術。この夏はかなり厳しい戦いになる。しかしそれでもこの手法を取ることで、チームとして、個人として、間違いなく急成長する。もがき苦しみながらも殻を破る。そんな夏が始まった。
7月29日 『横高練習』
この夏を戦う新しい戦術の理解とイメージ作り。終盤は「アリアリAD」となり、激しく刺さり合った。1年生もついに上級生と同じ土俵でプレー。何もかも及ばないが、必死で食らいて自分を鍛えた。SOトモマサはAスタート。LO拓海はA半チャンとなり、3学年揃ってのレギュラー争いが始まった。
8月30日 『vs法政二高』
法政大学のグランドで午前午後の二部合同。午前は15分×6本(ABCを2周)。といっても、お互いに部員数が45名もいるわけではない。Aはレギュラーチーム、Cは1年生。BはAとCのミックスだ。午後は合同練習を1時間半ほどやった後、締めの試合15分×3本(ABC)を行った。
相手はあの新人戦の逆転サヨナラゴール「6-5」の相手だ。新スタイルでの初めての実戦。Aメンバーで3年生は僅か4~5人。バックスは全員下級生。相手も主軸を複数ケガで欠いているが、相当厳しい戦いが予想された。が、その予想は大きく外れた。
マッスーのアタックセンス、ヒロシのDF意識、ケントのランニングスキルとスピードなど、一人一人が持ち味を発揮。チームとしても、初日レベルでは十分合格点。各チーム15分×3本を終え、トライ数でA(4-0)B(9-1)C(3-3)。ABは思わぬ快勝となったが、この日一番の成果を上げたのはC。附属中学経験者やスクール経験者を多く有する相手に対し、1本目は完膚なきまでに惨敗。ところが2本目には泥臭くギリギリでしがみ付きドロー。3本目には数時間前とは見違えるようなプレーで快勝。たったの一日で分かりやすく大きく成長することができた。アサトなど多い選手は一日で120分の出場。充実感と疲労感を抱えて、合宿2日目を終了。
くわまん
『今回の合同練習は、新しい戦術を試すいい機会だったので、チーム全体が失敗をおそれず、積極的なプレーをしました。ですが、やはり細かいミスが多く、課題が沢山見つかったので、今後少しずつ修正していき、横高の新しいスタイルを確立させたいです。』
ジュンペイ
『目標に立てたうちの一つの運動量というところが達成できませんでしたが、いつもと違うポジション(WTB,CTB)もできたことでスペースを活かしたプレーと1on1での責任感を学ぶことができました。』
3日目 vs湘南工大附属
前日の二部試合で各自がかなり傷んでいるが、チームとしてはいい滑り出し。この日の相手は、3大会連続公式戦で対戦している湘南工大附属。熊坂組の引退、新人戦シード奪取、関東大会出場など、ビッグゲームの相手はいつも湘南工大。相手にしてみれば、この2大会で嫌というほどの屈辱感を味あわせてくれた憎き横高という感じだろう。ウォームアップから対横高にかける気合いがビンビンに伝わってくる。
横高はこの日もスタンスを徹底。目先の結果にこだわらず、新しいアタックと新しいDFを試しながら地力をつけることに徹した。天気は予想外のしっかりした雨。お互いが思うように攻撃できないコンディションの中、ABCを20分2回転(最後2本は10分)行った。
結果はというと、湘南工大の強化部分と横高の課題部分がかみ合う形となり、Aは2本を終えて0-0ドロー。DFに関して、達成部分と要レベルアップ部分が明確になり、ステップアップに向けた大きなヒントを得ることができた。BCは僅差で敗れたものの、高いレベルの相手に食らいつくことで各自がまた一歩ステップアップすることができた。
4・5日目 関東学院合同練習
いよいよ合宿も後半突入。午前は横高のみで練習を行い、午後は高いスキルとフィジカルを有する強豪・関東学院との合同練習。もう満身創痍で誰もキレがでない。まさに合宿後半。ここまできたら根性で己の体を無理やり動かすだけ。ケガによる離脱者も増え、下級生にとっては「ここが勝負!」のレギュラー取りチャンスとなった。
関東学院とのADはフルコンタクト(試合形式)でABを延々と回転。B(ほぼ1年生)での活躍が買われてスタメン争いに食い込んできたケント、アサトら1年生。ケガからついに復帰となったヒカル、ショウヘイ、リョウ。誰もが関東学院と戦いながら、激しく横高のポジションライバルと戦っている。椅子取りゲームのようにプレー機会の奪い合い。味方のケガはすなわち大チャンス到来。そんないい雰囲気だ。
Aは一進一退の攻防の中から、特にアタックの型と自信を獲得することができた。Bはレベル差の大きな相手(関東はほとんどABメンバーが同じ)に対し、初めは手も足も出ず。しかし法政戦のように、最終日後半には必死で凌げるようになった。
過酷なほどに2日とも体をボコボコに当て合った。昨年も今年の上半期も、正直モールとスクラム以外は大きなレベル差を感じていた関東相手に、攻守ともに十分な手ごたえを掴むことができた。
6日目 二部練
いよいよ神奈川合宿も最終日。痛いもきついもみんな同じ。午前中は合宿の復習となる映像ミーティングを行ったあと、森上コーチによるセッション。この充実感あふれる合宿のすべての経験を血肉化すべく、DFとATのポイントを絞り込んだ練習をみっちり3時間行った。
午後は前半部分でFW・BKそれぞれ課題練習を行い、後半部分は「感」に訴える内容。ヘッドスピード(いわゆる古典的ランパス)で大声を張り上げながら走りに走った。熱帯のような湿度もあり、全員ギリギリの状態。しかし「あと少しで一次合宿も終わり」という見通しが、動かない体を何とか動かした。
そして最後のメニュー。全員が「最後は何?」とテンションが上がっているような不安なような顔で集合。次のメニューについての説明。
「さて、いよいよ一次合宿最後のメニューだ。…グランド整備をやって、砂をしっかり落として…」(生徒:??)「泳げる格好でプール集合!」
その直後の光景は想像に易い。発狂、ハイタッチ、抱擁、ちょっとウルウル。プールでは自由に遊んだり、学年対抗リレーやチーム最遅決定戦、チーム最速決定戦(シュンペイが優勝)など、大いに盛り上がった。
一次合宿のMVPはマッスーとコッペ。3年の意地。弱い姿を全く見せることなく、闘志溢れる姿勢を貫いた。
マッスー(左)
『かなりハードな1次合宿だったけれど、この夏から新しいことを取り入れ個人的にもチームとしても大きく成長できた部分がありました。この調子で菅平での2次合宿も乗り越えどんどんステップアップしていきたいです。』
コッペ(右)
『1次合宿は、山に登る前の最後のアピールチャンスだと思って気合いを入れた。頼もしい後輩がめきめきと強くなってきて負けてられなかった。つらい日程の中、乗り切ることでまた成長出来たと思う。まだ長い夏は続くけど、打倒桐蔭でがんばっていこう!』
ロックのレギュラー争いをする2人。匠と拓海が揃って右足首骨折・・・。
プール後は保護者が用意してくださった大量のフルーツポンチとから揚げをいただき、心身満たされて一次合宿が終了。本当に遠征合宿を行ったのと遜色ない実りと自信を手に入れることができた。
7月29日 『横高練習』
この夏を戦う新しい戦術の理解とイメージ作り。終盤は「アリアリAD」となり、激しく刺さり合った。1年生もついに上級生と同じ土俵でプレー。何もかも及ばないが、必死で食らいて自分を鍛えた。SOトモマサはAスタート。LO拓海はA半チャンとなり、3学年揃ってのレギュラー争いが始まった。
8月30日 『vs法政二高』
法政大学のグランドで午前午後の二部合同。午前は15分×6本(ABCを2周)。といっても、お互いに部員数が45名もいるわけではない。Aはレギュラーチーム、Cは1年生。BはAとCのミックスだ。午後は合同練習を1時間半ほどやった後、締めの試合15分×3本(ABC)を行った。
相手はあの新人戦の逆転サヨナラゴール「6-5」の相手だ。新スタイルでの初めての実戦。Aメンバーで3年生は僅か4~5人。バックスは全員下級生。相手も主軸を複数ケガで欠いているが、相当厳しい戦いが予想された。が、その予想は大きく外れた。
マッスーのアタックセンス、ヒロシのDF意識、ケントのランニングスキルとスピードなど、一人一人が持ち味を発揮。チームとしても、初日レベルでは十分合格点。各チーム15分×3本を終え、トライ数でA(4-0)B(9-1)C(3-3)。ABは思わぬ快勝となったが、この日一番の成果を上げたのはC。附属中学経験者やスクール経験者を多く有する相手に対し、1本目は完膚なきまでに惨敗。ところが2本目には泥臭くギリギリでしがみ付きドロー。3本目には数時間前とは見違えるようなプレーで快勝。たったの一日で分かりやすく大きく成長することができた。アサトなど多い選手は一日で120分の出場。充実感と疲労感を抱えて、合宿2日目を終了。
くわまん
『今回の合同練習は、新しい戦術を試すいい機会だったので、チーム全体が失敗をおそれず、積極的なプレーをしました。ですが、やはり細かいミスが多く、課題が沢山見つかったので、今後少しずつ修正していき、横高の新しいスタイルを確立させたいです。』
ジュンペイ
『目標に立てたうちの一つの運動量というところが達成できませんでしたが、いつもと違うポジション(WTB,CTB)もできたことでスペースを活かしたプレーと1on1での責任感を学ぶことができました。』
3日目 vs湘南工大附属
前日の二部試合で各自がかなり傷んでいるが、チームとしてはいい滑り出し。この日の相手は、3大会連続公式戦で対戦している湘南工大附属。熊坂組の引退、新人戦シード奪取、関東大会出場など、ビッグゲームの相手はいつも湘南工大。相手にしてみれば、この2大会で嫌というほどの屈辱感を味あわせてくれた憎き横高という感じだろう。ウォームアップから対横高にかける気合いがビンビンに伝わってくる。
横高はこの日もスタンスを徹底。目先の結果にこだわらず、新しいアタックと新しいDFを試しながら地力をつけることに徹した。天気は予想外のしっかりした雨。お互いが思うように攻撃できないコンディションの中、ABCを20分2回転(最後2本は10分)行った。
結果はというと、湘南工大の強化部分と横高の課題部分がかみ合う形となり、Aは2本を終えて0-0ドロー。DFに関して、達成部分と要レベルアップ部分が明確になり、ステップアップに向けた大きなヒントを得ることができた。BCは僅差で敗れたものの、高いレベルの相手に食らいつくことで各自がまた一歩ステップアップすることができた。
4・5日目 関東学院合同練習
いよいよ合宿も後半突入。午前は横高のみで練習を行い、午後は高いスキルとフィジカルを有する強豪・関東学院との合同練習。もう満身創痍で誰もキレがでない。まさに合宿後半。ここまできたら根性で己の体を無理やり動かすだけ。ケガによる離脱者も増え、下級生にとっては「ここが勝負!」のレギュラー取りチャンスとなった。
関東学院とのADはフルコンタクト(試合形式)でABを延々と回転。B(ほぼ1年生)での活躍が買われてスタメン争いに食い込んできたケント、アサトら1年生。ケガからついに復帰となったヒカル、ショウヘイ、リョウ。誰もが関東学院と戦いながら、激しく横高のポジションライバルと戦っている。椅子取りゲームのようにプレー機会の奪い合い。味方のケガはすなわち大チャンス到来。そんないい雰囲気だ。
Aは一進一退の攻防の中から、特にアタックの型と自信を獲得することができた。Bはレベル差の大きな相手(関東はほとんどABメンバーが同じ)に対し、初めは手も足も出ず。しかし法政戦のように、最終日後半には必死で凌げるようになった。
過酷なほどに2日とも体をボコボコに当て合った。昨年も今年の上半期も、正直モールとスクラム以外は大きなレベル差を感じていた関東相手に、攻守ともに十分な手ごたえを掴むことができた。
6日目 二部練
いよいよ神奈川合宿も最終日。痛いもきついもみんな同じ。午前中は合宿の復習となる映像ミーティングを行ったあと、森上コーチによるセッション。この充実感あふれる合宿のすべての経験を血肉化すべく、DFとATのポイントを絞り込んだ練習をみっちり3時間行った。
午後は前半部分でFW・BKそれぞれ課題練習を行い、後半部分は「感」に訴える内容。ヘッドスピード(いわゆる古典的ランパス)で大声を張り上げながら走りに走った。熱帯のような湿度もあり、全員ギリギリの状態。しかし「あと少しで一次合宿も終わり」という見通しが、動かない体を何とか動かした。
そして最後のメニュー。全員が「最後は何?」とテンションが上がっているような不安なような顔で集合。次のメニューについての説明。
「さて、いよいよ一次合宿最後のメニューだ。…グランド整備をやって、砂をしっかり落として…」(生徒:??)「泳げる格好でプール集合!」
その直後の光景は想像に易い。発狂、ハイタッチ、抱擁、ちょっとウルウル。プールでは自由に遊んだり、学年対抗リレーやチーム最遅決定戦、チーム最速決定戦(シュンペイが優勝)など、大いに盛り上がった。
一次合宿のMVPはマッスーとコッペ。3年の意地。弱い姿を全く見せることなく、闘志溢れる姿勢を貫いた。
マッスー(左)
『かなりハードな1次合宿だったけれど、この夏から新しいことを取り入れ個人的にもチームとしても大きく成長できた部分がありました。この調子で菅平での2次合宿も乗り越えどんどんステップアップしていきたいです。』
コッペ(右)
『1次合宿は、山に登る前の最後のアピールチャンスだと思って気合いを入れた。頼もしい後輩がめきめきと強くなってきて負けてられなかった。つらい日程の中、乗り切ることでまた成長出来たと思う。まだ長い夏は続くけど、打倒桐蔭でがんばっていこう!』
ロックのレギュラー争いをする2人。匠と拓海が揃って右足首骨折・・・。
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