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vs目黒学院 『夏の始まり』

2012/07/19

 長い試験OFFを終えた7月15日、関東大会Gブロック優勝の目黒学院との練習試合が行われた。目黒と言えばかつて花園の雄として全国に知れ渡っていた名門。何より他校に真似できない厳しい練習スタイルが有名なチーム。人材や環境ではなく、鍛え上げられた精神と肉体で勝利を目指すという点では、横須賀高校にとって勉強させられることがきっと多くあるはず。
 それにしても東京都は強豪ぞろいだ。関東大会で横須賀に敗れたFブロック大東大一以外は、出場したすべてのブロックで優勝しているのだから(国学院久我山、東京、東京挑戦、明大中野、目黒)。


 お互い核になる選手を欠いた条件で行われたが、この日は「地力向上」が目的の試合ということもあり、Aが20分×1、その後は上級生を縦割りした赤と青で20分×4、1年生チームで15分×2の合計7本のゲームを行った。
  ダイキを欠くAゲーム。序盤は相手のDFと横高の横幅の狭いグランドもありなかなかトライに結びつかない。それでも速さを意識した攻守で徐々に相手に圧力をかけ、サインプレーもモールもない攻撃で4トライを奪って「20-0」で終了。DFは十分安定したまま終わった。
 
 赤青戦と1年生試合に関しては、ターゲットとしていたボールの扱いの雑さという課題が残ったものの、一人ひとりが新鮮なチーム構成の中で、実践スキルを高めることができた。特筆すべきはタツヤ。ポジションを変えて自由度が増したことで、能力が大爆発。これほどのキレとセンスは、私の高校ラグビー指導歴でも見たことがない。同級生からも感嘆と憧れの声が漏れるランニングで、トライを量産した。1年試合を除くA赤青の20分×5本は、「60-12」という快勝で終えることができた。

 
ケンタ
『秋に向け、三年生は最後である夏のスタートをきりました。いくつかのテーマに掲げた内、DFはある程度の手応えを感じることができ、ATでは課題が多くみつかりました。日頃やっている基本的なBDがまだ確固たるものでないことも痛感させられました。秋を考えると、時間は足りなすぎるくらいです。今から二段階でも三段階でもレベルアップしていきたいです。』


『自分個人としては、基礎の部分はある程度できてきているのかなと感じました。色々なプレーも試すことができて、自分に足りない部分もわかりました。DFではもう少し出たかったので、夏の練習で改善していきたいと思います。』


『関東大会Gブロック優勝の目黒さんと試合ができて、激しいプレーと、気合いを体の芯に感じることができました。縦割りのチームではアタックとディフェンスが思うようにいきませんでしたが、いつもと違った良い刺激を受けることができました。』

ユウヤ
『たくさんの時間、試合に出させてもらい、自分のプレーの成長点や改善点が分かりました。特に、ボールプレーヤーでの動きや低くささるタックルなど、これからの練習で改善していきたいです。また、目黒高校は仕合後もとてもきつい練習をしており、自分たちももっと頑張らなければいけない、と感じました。』
 

 強くなるための夏が始まる。高校ラグビーの夏、独特の景色と心理状態。終わってみれば顧みる微笑だが、やっている最中は必死を超えて戦地のような悲壮感さえ漂う。毎日毎日が弱い自分、逃げたい自分との戦いだ。みんなきつい、みんな痛い、みんな逃げたい。だからこそ、そこで向かっていく。仲間とともに、笑いながら、歌いながら。
 この日々こそが実は大きな幸せであり、人生の宝物の記憶となり、自分の真の強さとなる(が、ギリギリの心理状態なのでそんなことを意識できる訳がない…)。
 迷ったらしんどい方を。逃げたい気持ちが浮かんだら逃げずに前へ。この夏にその感覚が掴めたら、きっと人生が変わる。

最近、アフターファンクションの芸では完敗続き・・・。


 ここから先、全国区の強豪との対戦が続く。見つめる先は桐蔭のみ。たとえその練習試合に勝てたとしても、桐蔭に通用しない戦術やプレーなら意味がない。来たる日のたった62分間のためだけに、岩田組の最後の夏が始まる。
 
 

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