神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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1年生デビュー戦 『初めてのタックル』
2013/06/18
混沌として得体のしれぬ充実感が、試合後まで体に残る選手。次の試合で必ずこの後悔を晴らすとポジティブに心に決めているのに、先ほど体感した自分の情けなさで気を抜くと涙が溢れそうになる選手。
毎年のことながら、この試合は本当に面白い。6月18日、前日から降り続いく雨の中、1年生にとっては人生で一度きりのラグビーデビュー戦・平塚学園戦が行われた。
このデビュー戦前に話したことは昨年と同じ。ラグビーでは「タックルできる人間の価値」だ。ラグビーのアタックでは、ボールキャリアーに多彩な自由が与えられる。当たる、ステップで抜く、パスをする、キックをする。自分が得意なプレーだけを選べばいい。自分が苦手なことは、隣のチームメイトにやってもらえばいい。
しかしDFはそうはいかない。相手がデカかろうと速かろうと関係がない。DFに与えられた唯一の手段は「タックル」だけだ。タックルこそが必要だ。
また、アタックでは全員がステップやパスやスイープなどこれでもかと分業して、やっとの思いで1つのトライを獲るのに対し、DFでは、たった一人のたった一度のタックルミスでトライを奪われることが多い。タックルは「責任」と言い換えることもできる。
何も考えることなく初めから無心でタックルに入れる「ナチュラルボーンタックラー」は、おそらく10人に1人程度。あとの9人は、一瞬で答えを出さなければならない葛藤に直面する。
「相手がデカい」「強そう」「痛そう」「吹き飛ばされそう」という素直な直感。
「逃げたくない」「タックルヒーローになりたい」「責任を果たしたい」「信頼を得たい」という、己へのプライドと仲間への責任意識。
そんなタックルだからこそ、「倒せたか否か」よりも、「行けたか行けなかったか」が自分のその後の感情を大きく左右する。
タックルという行いの成分は「技術と感情と人間性」だ。日常のタックル練習は、「技術」という1/3の練習にすぎない。残りの2/3を伴う本物のタックル。このデビュー戦は、まさに「人生初タックル」の日だ。
『今日の帰りの平塚駅に向かう道の途中、4割の選手が充実感を、6割の選手が情けなさを抱えて歩くことになるだろう。我こそは4割派に入ってやるという意識を持って、タックルに挑戦してほしい』と最後に話し、試合に送り出した。
試合は見事にタックル大会と化した。「ナンバーワンタックラー」を争っているかのように、コタロウ、ケイゴ、マコトのバックロー3人が、タックルタックルまたタックルを繰り返す。平塚学園の優れたアタックと継続力のおかげで、タックルできる機会が延々と続く。
アタックでは、1年生レベルでは破格の攻撃力を持つタツヤが、独走を繰り返しトライを奪う。では個人技だけかと言えば、上級生よりも正確で忠実なシェイプ(攻撃の型・ポジショニング)が、実はタツヤを生かしている。
ブレイクダウンの完敗で再三ボールを奪われたが、タックルを繰り返すことで我慢を続ける。ボール保持率では明らかに劣勢だったが、「38-21」のスコアで初試合を勝利することができた。
アキヒコ(ゲームキャプテン)
『今日は個人としてはパスが浮いたり、タックルが高かったりいいところがありませんでした。でもチームとして勝てたことは自信にもなったので次のセブンスまでに今日、出来なかったことをできるようにしてまた勝ちたいです。』
マコト(左)
『今日は本気のラグビーを初めて知ることができました。自分はまだ体力がない、ということを思い知りました。低いタックルはうまくできませんでしたが、多くのタックルに挑戦できて良かったです。』
コタロウ(タックラー)
『初めての試合でルールや動きもまだわからないことも多かったですが練習の成果や反省点が見つかったのでこれからもこの試合を生かしていきたいです。』
アタックは「自由とパッション」。DFは「責任とプライド」。両者が入りまじりながら、全身をぶつけて球をむしり取り、駆け回る。1年生諸君、味わい深い本物のラグビーの世界へ、ようこそ!
上級生試合のコメント
トモマサ(ついにキャプテン復帰!)
『三ヶ月ぶりに試合に出ました。身体が思うように動かず、イメージの中では何度も練習したことが、上手く出来ませんでした。早く体力をもどして伸び伸びプレーできるようにしたいです。』
ジュン
『先週の保善戦ではフィットネスが全然足りず、体も張れなくてチームに貢献できなかった。平学戦ではモールも組め、スクラムも圧勝し良い経験になった。この経験を活かしてセットプレーをもっと自分のものにしていきたい。』
ヒカル
『きっかけはどうであれ自分にとって初めてのスタメンだったにも関わらず、自分が弱いせいでチームに迷惑をかけたのでもっと強くなってこのチャンスを物にしたいです。』
藤平(お父さんはOB会の広報委員長)
『2年生ですが、6月上旬に入部しました。去年、1年生の平学戦で助っ人として参加しましたが(昨年1年間は演劇部所属)、1年振りに同じグランドでラスト5分間出させていただきました。たった5分なのにまともに動くことができなかったので、これから体力と筋肉を付けて今の2年生に追い付くため頑張ります』
今年もアフターファンクションを開いていただきました。
グランドづくりからファンクションまで、平塚学園の皆様、本当にありがとうございました!
毎年のことながら、この試合は本当に面白い。6月18日、前日から降り続いく雨の中、1年生にとっては人生で一度きりのラグビーデビュー戦・平塚学園戦が行われた。
このデビュー戦前に話したことは昨年と同じ。ラグビーでは「タックルできる人間の価値」だ。ラグビーのアタックでは、ボールキャリアーに多彩な自由が与えられる。当たる、ステップで抜く、パスをする、キックをする。自分が得意なプレーだけを選べばいい。自分が苦手なことは、隣のチームメイトにやってもらえばいい。
しかしDFはそうはいかない。相手がデカかろうと速かろうと関係がない。DFに与えられた唯一の手段は「タックル」だけだ。タックルこそが必要だ。
また、アタックでは全員がステップやパスやスイープなどこれでもかと分業して、やっとの思いで1つのトライを獲るのに対し、DFでは、たった一人のたった一度のタックルミスでトライを奪われることが多い。タックルは「責任」と言い換えることもできる。
何も考えることなく初めから無心でタックルに入れる「ナチュラルボーンタックラー」は、おそらく10人に1人程度。あとの9人は、一瞬で答えを出さなければならない葛藤に直面する。
「相手がデカい」「強そう」「痛そう」「吹き飛ばされそう」という素直な直感。
「逃げたくない」「タックルヒーローになりたい」「責任を果たしたい」「信頼を得たい」という、己へのプライドと仲間への責任意識。
そんなタックルだからこそ、「倒せたか否か」よりも、「行けたか行けなかったか」が自分のその後の感情を大きく左右する。
タックルという行いの成分は「技術と感情と人間性」だ。日常のタックル練習は、「技術」という1/3の練習にすぎない。残りの2/3を伴う本物のタックル。このデビュー戦は、まさに「人生初タックル」の日だ。
『今日の帰りの平塚駅に向かう道の途中、4割の選手が充実感を、6割の選手が情けなさを抱えて歩くことになるだろう。我こそは4割派に入ってやるという意識を持って、タックルに挑戦してほしい』と最後に話し、試合に送り出した。
試合は見事にタックル大会と化した。「ナンバーワンタックラー」を争っているかのように、コタロウ、ケイゴ、マコトのバックロー3人が、タックルタックルまたタックルを繰り返す。平塚学園の優れたアタックと継続力のおかげで、タックルできる機会が延々と続く。
アタックでは、1年生レベルでは破格の攻撃力を持つタツヤが、独走を繰り返しトライを奪う。では個人技だけかと言えば、上級生よりも正確で忠実なシェイプ(攻撃の型・ポジショニング)が、実はタツヤを生かしている。
ブレイクダウンの完敗で再三ボールを奪われたが、タックルを繰り返すことで我慢を続ける。ボール保持率では明らかに劣勢だったが、「38-21」のスコアで初試合を勝利することができた。
アキヒコ(ゲームキャプテン)
『今日は個人としてはパスが浮いたり、タックルが高かったりいいところがありませんでした。でもチームとして勝てたことは自信にもなったので次のセブンスまでに今日、出来なかったことをできるようにしてまた勝ちたいです。』
マコト(左)
『今日は本気のラグビーを初めて知ることができました。自分はまだ体力がない、ということを思い知りました。低いタックルはうまくできませんでしたが、多くのタックルに挑戦できて良かったです。』
コタロウ(タックラー)
『初めての試合でルールや動きもまだわからないことも多かったですが練習の成果や反省点が見つかったのでこれからもこの試合を生かしていきたいです。』
アタックは「自由とパッション」。DFは「責任とプライド」。両者が入りまじりながら、全身をぶつけて球をむしり取り、駆け回る。1年生諸君、味わい深い本物のラグビーの世界へ、ようこそ!
上級生試合のコメント
トモマサ(ついにキャプテン復帰!)
『三ヶ月ぶりに試合に出ました。身体が思うように動かず、イメージの中では何度も練習したことが、上手く出来ませんでした。早く体力をもどして伸び伸びプレーできるようにしたいです。』
ジュン
『先週の保善戦ではフィットネスが全然足りず、体も張れなくてチームに貢献できなかった。平学戦ではモールも組め、スクラムも圧勝し良い経験になった。この経験を活かしてセットプレーをもっと自分のものにしていきたい。』
ヒカル
『きっかけはどうであれ自分にとって初めてのスタメンだったにも関わらず、自分が弱いせいでチームに迷惑をかけたのでもっと強くなってこのチャンスを物にしたいです。』
藤平(お父さんはOB会の広報委員長)
『2年生ですが、6月上旬に入部しました。去年、1年生の平学戦で助っ人として参加しましたが(昨年1年間は演劇部所属)、1年振りに同じグランドでラスト5分間出させていただきました。たった5分なのにまともに動くことができなかったので、これから体力と筋肉を付けて今の2年生に追い付くため頑張ります』
今年もアフターファンクションを開いていただきました。
グランドづくりからファンクションまで、平塚学園の皆様、本当にありがとうございました!
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