神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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新人戦予選プール 『地獄からの生還』
2013/12/16
12月8日、新人戦予選プールが開幕した。津田組として初めての公式戦。初スタメンの選手が10名以上。7名のスタメン入りした1年生たちは練習試合経験も浅く、ファーストジャージを身に纏う喜びよりも、不安の方が大きかったのかもしれない。
初戦の相手はまさかの再戦、平塚学園。つい2ヶ月前の花園予選で「8-0」という激闘があったばかり。新人戦の抽選会、横須賀対平塚学園の対戦が決まった際に、はっきりと相手の喜びと気迫が伝わってきた。平塚学園にとっては敬愛する先輩たちのリベンジを果たすチャンスがこんなにも早く訪れることとなったからだ。
試合当日の朝、相手監督が一言
「私たちにとっては、時間はあの日の8対0のまま止まっていますから。」
13時、いま地上でも最も横須賀高校を倒したいと思っている相手との試合が始まった。
完全に平塚学園の気迫の前に、こだわらなければいけない勝負どころで完敗。津田組が目指すラグビーとは程遠く、トライの取り方も理想とは異なるもの。やりたいプレーはことごとく平塚学園にやられてしまった。
「22-14」、またしても8点差でノーサイド。勝利という結果は素直に喜べるものだが、内容は完敗だった。
翌日のミーティングで大切な部分で負けた試合であったことを再確認。6日後に迫る鎌倉学園との試合に向けて調整は一切せず、ケガのリスクを冒して厳しい練習を続けた。
バイスキャプテン・シュンスケ
『津田組の公式戦初戦を勝利で飾ることができ、嬉しく思います。スタンドオフとしての役割は全く果たせませんでしたが、たくさん出た反省点を次の試合にいかし、個人的にもチーム的にも成長していきたいです。』
拓未
『たくさんの応援ありがとうございます。試合は勝ちましたが、自分自身のプレーに関しては後悔が残る部分が多く、日々の練習で積み重ねたものが出せず、とても悔しかったです。次の鎌倉学園戦では、ボールを持ってリズムを作って、アタックを引っ張っていきたいと思います。』
ユウタロウ
『津田組になって初めての公式戦だったので緊張はしてたけれど精一杯戦えたと思います。しかし自分はスクラムなど満足できないプレーもたくさんありました。なのでこれからの練習や試合でもっと経験を積んでこの津田組を更に強くしていけたら良いと思いました。』
12月9日、予選プール第2戦の相手は鎌倉学園。附属中学ラグビー部を持ち、部員数は横高を上回る。そして今シーズンは花園予選最終戦のスタメンがなんと13人も残る待望の代を迎えている。「力関係はやってみなけりゃ分からない」と双方が思う中、キックオフを迎えた。
スキルの優れる鎌学に対しては、タックル、ブレイクダウン、スクラムといった格闘の部分で圧倒したかったが、やはり今年の鎌学は甘くなかった。横高のミスを基点に、予想していた相手の強みの部分であっさりと2トライを奪われてしまう。レフリングへの対応も遅れ、攻撃が全く組み立たない。バラバラの意図で攻めてはミスでチャンスを失い続ける。想定外のビハインド「3-14」で前半を折り返した。
後半も試練は続く。セルフジャッジでプレーをやめてしまい、痛恨の80m独走失トライ。
絶体絶命、残り時間僅か13分で18点ものビハインド。万事休すかに思えたゲームだったが、ここから怒涛の反撃が始まった。
後半からBKのポジションを変更することで攻める基点を変えたことが功を奏し、カズ、アキヒコ、タツヤ、択海ら1年生BKが生き生きと走り回る。FWも津田が統率し、的確に相手にプレッシャーをかけ続けた。
ラグビー人生でラストワンプレー逆転サヨナラトライなど、そうそうあるもではない。私自身が初めてかもしれない。コンバージョンキック直後、ノーサイドの笛が鳴り響いた。3年前の新人戦、中村ヒロトのラストワンプレー逆転サヨナラロングPGでベスト4入りを決めたときの大歓喜とは、実感はあまりにも大きく異なる。
表現するなら「地獄からの生還」。
課題が多く露見し、危機感が高まった予選プール。「平学、鎌学という難敵とタイトに戦うことでチーム力は磨かれる。このクジ運はラッキーだよ」とポジティブに解釈していたが、まさにその通りの結果となった。
足りないものが把握できた。やるべき練習も明確になった。しかし何より、最後の最後まで勝敗の分からない2試合を勝ち切った経験値は、狙って得られるものではない大きな財産だろう。
キャプテン・津田
『自分はこの鎌学戦にあたり、初戦の平学戦で出来なかった事をやろうと決めていました。自分の中で特に悪かったと思ったのは、タックルとスローの安定でした。タックルは向こう側に倒す事ができず、達成とは言えませんでした。しかしスローはトライチャンスの緊張する場面も含め0ミスで投げられたので、それは自信になりました。
チームとしては良い点より悪い点の方が多く挙がる内容でしたが、後半にあれだけ追い上げて、ロスタイムで逆転して勝ったという結果はとても大きいものであり、今までラグビーをやっていて初めての体験でした。この2試合で出た反省をこれからの練習で克服し、自分達のラグビーで強くなって行きたいです。』
ジュン
『結果は勝てたけれど、僕自身たくさん反省するところがありました。スクラムも押せなかったしタックルも出来ませんでした。これからの冬で必死に練習してもっと強くなりたいです。』
アキヒコ
『正直、勝てたことにホッとしています。自分としては目標のプレーを1つも達成することができず情けなかったです。ですが、後半からはやりたいプレーをできたと思っています。最後のトライは練習通りにステップを踏むことができ、トライを取れて安心しました。次の関東六浦戦では冬休みにレベルアップしていつも以上に強気のプレーをしていきたいです。』
カズヒロ(共に出場する兄・拓未と争うように活躍!)
『いつでも準備できている状態だったので、後半から走りまくろうと思っていた。後半から相手の優位な状況のなかで、逆転して勝ち切れたことは素直にうれしかった。自分は得意なプレーを出せたけど、あれだけ走ったのにトライを取れなかったことはまだまだ物足りないから、途中から入ったときは自らが起点となって、自分たちの流れに変えられるようなプレーヤーになりたい。』
(呼吸が止まるほどの崖っぷちの思いをしたが)これで何とかシード8校の待ち受ける決勝トーナメント進出。次の相手は強豪・関東六浦。鎌学同様、昨年のスタメンがごっそりそのまま残っている。大きなチャレンジだからこそ、津田組が大きく成長できるチャンスでもある。充実するに違いない冬休みが始まる。
初戦の相手はまさかの再戦、平塚学園。つい2ヶ月前の花園予選で「8-0」という激闘があったばかり。新人戦の抽選会、横須賀対平塚学園の対戦が決まった際に、はっきりと相手の喜びと気迫が伝わってきた。平塚学園にとっては敬愛する先輩たちのリベンジを果たすチャンスがこんなにも早く訪れることとなったからだ。
試合当日の朝、相手監督が一言
「私たちにとっては、時間はあの日の8対0のまま止まっていますから。」
13時、いま地上でも最も横須賀高校を倒したいと思っている相手との試合が始まった。
完全に平塚学園の気迫の前に、こだわらなければいけない勝負どころで完敗。津田組が目指すラグビーとは程遠く、トライの取り方も理想とは異なるもの。やりたいプレーはことごとく平塚学園にやられてしまった。
「22-14」、またしても8点差でノーサイド。勝利という結果は素直に喜べるものだが、内容は完敗だった。
翌日のミーティングで大切な部分で負けた試合であったことを再確認。6日後に迫る鎌倉学園との試合に向けて調整は一切せず、ケガのリスクを冒して厳しい練習を続けた。
バイスキャプテン・シュンスケ
『津田組の公式戦初戦を勝利で飾ることができ、嬉しく思います。スタンドオフとしての役割は全く果たせませんでしたが、たくさん出た反省点を次の試合にいかし、個人的にもチーム的にも成長していきたいです。』
拓未
『たくさんの応援ありがとうございます。試合は勝ちましたが、自分自身のプレーに関しては後悔が残る部分が多く、日々の練習で積み重ねたものが出せず、とても悔しかったです。次の鎌倉学園戦では、ボールを持ってリズムを作って、アタックを引っ張っていきたいと思います。』
ユウタロウ
『津田組になって初めての公式戦だったので緊張はしてたけれど精一杯戦えたと思います。しかし自分はスクラムなど満足できないプレーもたくさんありました。なのでこれからの練習や試合でもっと経験を積んでこの津田組を更に強くしていけたら良いと思いました。』
12月9日、予選プール第2戦の相手は鎌倉学園。附属中学ラグビー部を持ち、部員数は横高を上回る。そして今シーズンは花園予選最終戦のスタメンがなんと13人も残る待望の代を迎えている。「力関係はやってみなけりゃ分からない」と双方が思う中、キックオフを迎えた。
スキルの優れる鎌学に対しては、タックル、ブレイクダウン、スクラムといった格闘の部分で圧倒したかったが、やはり今年の鎌学は甘くなかった。横高のミスを基点に、予想していた相手の強みの部分であっさりと2トライを奪われてしまう。レフリングへの対応も遅れ、攻撃が全く組み立たない。バラバラの意図で攻めてはミスでチャンスを失い続ける。想定外のビハインド「3-14」で前半を折り返した。
後半も試練は続く。セルフジャッジでプレーをやめてしまい、痛恨の80m独走失トライ。
絶体絶命、残り時間僅か13分で18点ものビハインド。万事休すかに思えたゲームだったが、ここから怒涛の反撃が始まった。
後半からBKのポジションを変更することで攻める基点を変えたことが功を奏し、カズ、アキヒコ、タツヤ、択海ら1年生BKが生き生きと走り回る。FWも津田が統率し、的確に相手にプレッシャーをかけ続けた。
ラグビー人生でラストワンプレー逆転サヨナラトライなど、そうそうあるもではない。私自身が初めてかもしれない。コンバージョンキック直後、ノーサイドの笛が鳴り響いた。3年前の新人戦、中村ヒロトのラストワンプレー逆転サヨナラロングPGでベスト4入りを決めたときの大歓喜とは、実感はあまりにも大きく異なる。
表現するなら「地獄からの生還」。
課題が多く露見し、危機感が高まった予選プール。「平学、鎌学という難敵とタイトに戦うことでチーム力は磨かれる。このクジ運はラッキーだよ」とポジティブに解釈していたが、まさにその通りの結果となった。
足りないものが把握できた。やるべき練習も明確になった。しかし何より、最後の最後まで勝敗の分からない2試合を勝ち切った経験値は、狙って得られるものではない大きな財産だろう。
キャプテン・津田
『自分はこの鎌学戦にあたり、初戦の平学戦で出来なかった事をやろうと決めていました。自分の中で特に悪かったと思ったのは、タックルとスローの安定でした。タックルは向こう側に倒す事ができず、達成とは言えませんでした。しかしスローはトライチャンスの緊張する場面も含め0ミスで投げられたので、それは自信になりました。
チームとしては良い点より悪い点の方が多く挙がる内容でしたが、後半にあれだけ追い上げて、ロスタイムで逆転して勝ったという結果はとても大きいものであり、今までラグビーをやっていて初めての体験でした。この2試合で出た反省をこれからの練習で克服し、自分達のラグビーで強くなって行きたいです。』
ジュン
『結果は勝てたけれど、僕自身たくさん反省するところがありました。スクラムも押せなかったしタックルも出来ませんでした。これからの冬で必死に練習してもっと強くなりたいです。』
アキヒコ
『正直、勝てたことにホッとしています。自分としては目標のプレーを1つも達成することができず情けなかったです。ですが、後半からはやりたいプレーをできたと思っています。最後のトライは練習通りにステップを踏むことができ、トライを取れて安心しました。次の関東六浦戦では冬休みにレベルアップしていつも以上に強気のプレーをしていきたいです。』
カズヒロ(共に出場する兄・拓未と争うように活躍!)
『いつでも準備できている状態だったので、後半から走りまくろうと思っていた。後半から相手の優位な状況のなかで、逆転して勝ち切れたことは素直にうれしかった。自分は得意なプレーを出せたけど、あれだけ走ったのにトライを取れなかったことはまだまだ物足りないから、途中から入ったときは自らが起点となって、自分たちの流れに変えられるようなプレーヤーになりたい。』
(呼吸が止まるほどの崖っぷちの思いをしたが)これで何とかシード8校の待ち受ける決勝トーナメント進出。次の相手は強豪・関東六浦。鎌学同様、昨年のスタメンがごっそりそのまま残っている。大きなチャレンジだからこそ、津田組が大きく成長できるチャンスでもある。充実するに違いない冬休みが始まる。
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