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関東学院を破り、関東大会出場決定! 『2つの背中』

2014/05/06

 2つの大きな背中を見て育った。

 476日前、関東学院に「3-36」というスコアで伊藤組は敗れ、シード権を奪われた。それから約10ヶ月の間、シード奪還と打倒関東に燃え、やれる努力をやり尽くした。
「5-39」伊藤組の引退試合・関東学院との再戦は、歩んだ道のりとの矛盾すら感じてしまう残酷なスコアで終わった。


伊藤組敗戦直後 悲しみで立てなくなった津田キャプテン

「これだけの努力をしたんだから、勝利は必然だ」「努力は裏切らない」

 勝負の世界では、それらの言葉が真実ではないという痛恨の教訓を得た。努力をしても、実らないこともある。

 ただ、努力をしなければ可能性はゼロのままだ。「勝負というものへの畏れ」を持ち、最善の準備の後の62分間を覚悟をもって戦い抜き、それに若干の運も味方してくれれば、夢は叶うこともある。敬愛する伊藤組の背中と先週の法政二高戦が教えてくれたことだ。

 

 この1週間、津田組はもう一つの大きな背中を思い出していた。今から697日も前、入部直後の津田組は、茨城県鹿島に立っていた。岩田組の関東大会にルールすら覚えていない1年生も一泊だけ同行していた。坂東武者のファーストジャージを身に纏った岩田組は、関東大会でも眩い光を放ってトライを重ねた。関東大会という直に目で見た光景は、当時の1年生たちの心に夢と憧れを与えた。

 

 勝負への畏れ、関東大会への憧れ。尊敬する先人たちが残してくれたものを胸に抱き、準々決勝に臨んだ。相手はまたしてもあの関東学院。畏れは否応にも高まった。

 勝負のポイントは相手のエースSOに対しての集中力を62分間持続できるか。天才などという言葉では安い。覇者もしくは皇帝(選手たちは鮫と呼んでいた)。伊藤組のときもマークしたつもりではいたが、ビデオで検証するとやはり全て彼に攻守ともにやられ続けていた。U17高校日本代表の経歴すら軽く越える圧倒的実力。3回戦の横浜隼人戦でも、圧巻のプレーをさらりと続け、敵も時間も空間も何もかもを凌駕していた。

 

 11時15分、キックオフ。いきなり相手SO以外の選手に上手くやられ、一気にゴール前に迫られて開始直後に失トライ。それでも気を広げることなく、ノーサイドの瞬間まで相手SOへの集中力を持続することができた。スタンドのお客さんが笑ってしまうほど相手SOの名を執拗に叫び続けた。

 セットプレーで優位に立つと、DF勝負という明快なプランを貫いた。津田組らしい型無きトライを重ね、横高らしく感情を露わに盛り上がり続けた。

 最終スコアは「31-12」。尊敬する伊藤組のリベンジを果たすとともに、岩田組から見せてもらった光景・関東大会出場を決めた。


 

津田

『たくさんの方々の応援、本当にありがとうございました。試合が終わって、関東大会出場が決まった瞬間、信じられないくらい嬉しくて、今までラグビーをやって来て、横須賀高校に入って本当に良かったと思いました。

個人の試合内容としては、流れを止めてしまうようなミスをしてしまい、それを取り返すほどのいいプレーもできず、反省が残りました。それでも、チームの皆が本当に勝ちたいと思い、体を張り続けたお陰で勝つことができたのだと思います。

次の桐蔭戦では、強い選手にタックルを刺さりまくって、今度こそプレーでチームを引っ張ります。』

 

シュンスケ

『関東大会出場という目標を叶えることができ、とても嬉しいです。冬、春とキツい練習を皆で頑張ってやってきて、ホントによかったです。

しかし自分のプレーはというと、ダイレクトタッチやハンドなど反則やミスの連続で、皆に助けてもらった試合の連続でした。皆ありがとう。

そして、伊藤組・岩田組の先輩方、保護者・OB・スタッフの方々、そして、リザーブのメンバーやマネージャーに支えられてここまでこれたことに本当に感謝しています。ありがとうございます。

毎週の連戦に皆疲れていると思いますが、また切り替えて、桐蔭戦に望みたいです。』

 

ヒカル

『自分たちが関東大会に出場できるということが今でも本当に夢のようです。しかしここで満足せず次の桐蔭戦でも全力を尽くしてプレーしたいと思います。』
 

 
入学直後の新入生交流タッチフット大会では、県立の柏陽高校1年生相手に手も足も出ずに敗れた。それが津田組のスタート地点。「厳しい代」は周囲の声だけでなく、自分たちも自覚している。この日もスタメン中11名が高校からラグビーを始めた初心者だ。しかし、よく努力してきた。法政二高戦も関東学院戦も、いくつかの運にも味方されたが、そのチャンスを掴み取るだけの実力は、努力の日々で備えてきた。

(また、高澤先生と赤羽トレーナーという最高のメディカル体制が、復帰不可能と思われた主力たちをこの2戦に間に合わせてくれたことも本当に大きかった)。

 

 伊藤組の想いは叶えた。ここからは津田組の戦いが始まる。土曜の相手は春の全国選抜準優勝の桐蔭学園。

 勝利を追求しないのなら、グランドに立つ資格はない。吠えるキャプテン・津田を核弾頭に、横須賀らしく挑みかかる。



 

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