神奈川県立横須賀高校ラグビー部
『沸き起こる気持ち』 春光学園交流&富士登山2014
2014/08/04
(注・文章末にOBの皆様向けの重要なお願いがございます)
昨年も同様の内容で書いたが、あらためて書く。「与える人・与えられる人」という雰囲気が漂う、いわゆる「ボランティア」という気持ちは全くない。人と人との温かい交流。7月23・24日、今年も児童養護施設・春光学園との交流活動を行った。
甘えたい盛りの幼少期、虐待や貧困、置き去りや病気など、様々な理由で施設で暮らしている子どもたち。初交流だった昨年、施設サイドからお願いされたのは「とにかくおんぶや抱っこをたくさんしてあげて欲しい」ということだった。
子どもには「しつけ」や「教育」が必要である。しかしそれらは、乳幼児期に親に目いっぱい甘え、包み込まれ、絶対的な安心感を抱いた経験のその先の話である。いま目の前にいる春光の子どもたちが欲しているのは、目いっぱい甘え、抱っこやおんぶしてもらい、遊んでもらう経験。
今年は1・2年生全員が参加し、春光の小学生グループを対象とする「ソフトボールグループ」と、幼稚園以下を対象とする「遊びグループ」に分かれて、二日間目いっぱい遊んだ。
「遊びグループ」は、県警の青少年育成課からの依頼で、「紙芝居」や「かるた」も行った。紙芝居はプロジェクターを使い、慣れない声優にチャレンジ。前日に全部員を前にリハをやった甲斐あって?かなり上出来だった。かるたは読み手を全員が交替で回し、読んだ後に「防犯」や「人付き合いのマナー」について必ずアドリブでコメントした(が、想定通りかるたの勝敗に夢中で全く聴いてなかったかな・・・)。
「ソフトボールグループ」は、合間にラグビーボールを使ったサッカーなども新しく行った。1年生に野球経験者が多いこともあり、昨年よりは「上手い見本」を見せることができていたようだ。
2日間、今年も目いっぱい遊んで終了。横高生にとっても、普段の高校生活では部活でもクラスでも家庭でも沸き起こることのない無条件無私の情「優しい気持ち」をそれぞれが感じることができたはずだ。
ユキヒロ
『すぐ近くにあって名前もよく聞くのに、行くのは初めてでした。紙芝居を読んでいるときは多少緊張しましたが、その後の外遊びでは自分たちも子どもたちと一緒になって走り回ったり、楽しんだり、疲れながらも懐かしいような気持ちでした。二日目の帰り際には、絶対忘れられない思い出もできました。来年まで彼らが覚えていてくれれば幸いです。』
トウイ
『二日間の交流の中で童心に帰り全力で子供たちと遊びました。特に肩車は大人気!リクエストにはすべて答えました。何より子供たちが楽しんでくれてとてもやりがいがあり、たくさんの小さい子供たちとふれあえる貴重な体験が今年もできて嬉しかったです。この交流を通して子供たちが何かを感じ、それが小さいことでも子供たちのためになったらいいと思います。』
わか
『春光学園での体験は二日間があっという間でした。最初はなかなか一緒に遊んでくれなかった子も二日目には笑顔を見せてくれる瞬間が多くなり、それを見るたび幸せでした。同じ様に楽しかった思い出になってくれたらとても嬉しいです。』
神奈川新聞掲載
自分だけが諦めるわけにはいかない。仲間にも自分自身にも情けないから。共通の大きな目標があり、そのために励まし合い、背中を押し合う。絶望的な気持ちも何度かは起きる。自分ひとりならとっくに諦めて引き返したさ。でも仲間のためなら頑張らなきゃと重い足を動かし、僅かずつ前へ進む。
やっとたどり着いたゴールは、歓喜よりも安堵と疲労。しかし全てが終わってしばらくの時間が経過した後、達成感や喜びがジワジワと生まれる。しんどかった道のりのいくつかのエピソードを仲間と一緒に振り返り、ちょっと微笑む。
まるで輝いた青春の縮図のようだ。7月31日、今年も横高ラグビー部富士登山が行われた(世界遺産になって初)。
「山の天気は分からない」というが、過去の経験から本当に分からない。私自身は柏陽時代からこの企画は8年目となるが、かつて雹や風雨、雷や激しい日照りなど様々な天候が数時間のうちに次から次へと急変した(予報すら見ずに楽観的に行っていた最初の3~4年が今は恐ろしい)。唯一途中(7合目)で引き返した3年前の教訓を生かし、天候が万全でなかった昨年は中止とした。
そのため、今年は1年生だけでなく2年生も(ケガなどで未体験の3年生も2人)参加。合計24名の生徒に、赤羽トレーナー・石島さん(トオルのお父さん)・私という27人の大パーティーでの挑戦となった。
9時45分、須走口5合目から登山開始。経験上、8合目以降は山頂が近く見え、山小屋も短い距離で設置されているので、足はきつくても気持ち的に何とかなる。勝負は8合目に達するまでだ。六・七・八と刻んでくれればいいものを、新六号だ本七号だ、憎たらしいダミーが存在する・・・。夕方から天候が崩れるという天気予報やアクシデントによる時間ロスも見越して、序盤はペースを上げたい。ところがまだ標高2000m以上の気圧に慣れていないので、体調的に色々と辛い。
登り始めて4時間半、かつてないほどちょうど良い天候で登頂達成。バスのダイヤ変更の影響で、例年よりも「朝遅く夕早い」バスとなっていたので、「坂東武者」を歌って僅か30分の山頂滞在で下山開始。ハイピッチの登りによる疲労からか、例年より元気なく?砂走りロードを2時間で下り切った。5時20分、須走口5合目に無事全員帰還した。
『日本一高い山を私が登りきるとは思っていませんでした。ただ今回は、一人では到底登ることはない山にチームで登ったからこそ掴むことができた成功だったと思います。
「富士山登頂」これは、私が幼い頃に抱いた夢の一つで、「日本一高い場所からの景色を見てみたい」、「日本一高い場所の空気を吸ってみたい」と思っていました。しかし、この想像はあくまで願望であり、叶えることが出来るものではないと思っていました。この部活で「富士登山」という行事があることを知り、楽しみはほとんどなく、不安でいっぱいでした。
バスで須走口五合目に到着して頂上を眺めると、あまりに高くそびえ立ち、雲に隠れて見えず、登れる気が全くしてきませんでした。登山をすると、六合目や七合目までは、会話をする気力がまだありましたが、八合目では軽度の高山病っぽくなり、体力は限界に達し、それから頂上までのことは、よく覚えていません。ただ、それまでに仲間にカバンを持ってもらったこと、背中を押して助けてもらったことは、覚えています。
登りきった時の景色、空気、達成感の全てを仲間のおかげで感じることができていることを思い、チームでいることの大切さ、有り難みを体全体で感じ取ることができました。この仲間への感謝を一生の私の思い出にしたいと思います。』
択海
『7月31日、毎年恒例の富士登山に怪我人を除いた1・2年生、一昨年行けなかった3年生、付き添って下さった石島さん、赤羽さん、松山先生と行ってきました。「行かない方がいい、疲れる」と言う先輩もいて、実際はどうなのかなぁと思いながら登ってみたら本当にめちゃくちゃ疲れました。
それでもせっかく来たので、疲れてる人のカバンをまだ元気な人が持ってあげたり、足を攣った人を担いで運んだりして、皆で協力しながら無事頂上に辿り着くことができました。
頂上からの絶景は素晴らしいもので、富士山を登り切った!という達成感はものすごかったです。砂の上を滑り降りるようにして下山したので、あんなに一生懸命登った場所を簡単に降りてしまいました。途中で何故か坂ダッシュを始めた3人以外は大して疲れることなく下山をし、無事富士登山を終了しました。』
『チームビルディング』という単語が最近ビジネス界でも聞かれる。企画者があれやこれや入念な策を練り、非日常のアクティビティーを通じて連帯感を強める経験を積む。
富士登山というチームビルディングには何の策も要りやしない。生徒たちは「頂」という共通の目標を持ち、6合目に達するよりも前から励まし合い、弱っている人間のカバンを元気な人間が全く厭うことなく持った。7合目の手前では、何組も仲間のカバンを持ち、背中を物理的に押して助けてやっていた。響く声はグランドと同じ。「横高、アッゲアゲー!!」「ア~ゲアゲー!!」「○○さん、イキマショウ!」「絶対山頂まで行くぞ~!」「シャー!!」サプリメントや酸素缶も自分の物という意識はなく、弱っている人に迷わず供した(練乳チューブが一番人気!)。
何の策も要らず、山頂を目指すだけで「思いやり」や「優しさ」「仲間のために挫けない意地」などの情が、自然と沸いて出た。
今年も富士山に感謝。ご家族の皆様、朝早くから夜遅くまで、ご心配をおかけしました。ありがとうございました!
OBの皆様へ
今年もラグビー祭は9月6日(土)に大津グランドで開催されます。
今年の目標は『かつて最多人数のOBが集まり、横高ラグビーファミリーを楽しむ』です。
「運動から遠ざかっているから、OB戦(対現役)なんてとてもムリムリ・・・」という方も集い楽しめるように、あらゆる強度のゲームを設けるつもりです。「vs横高A」「vs横高1年」「OB同士本気目」「OB同士軽い遊び程度」「OB同士タッチフットのみ」「グランド脇で適当に久しぶりにボールを触って遊ぶだけ」など、運動不足の方でも全世代の皆様にラグビーを楽しんでいただきたいと思っております。ラグビーや横高ラグビーと接するのは卒業以来という方、大歓迎です!
どうか同期や近い代の連絡のつく方にこの内容を拡散していただき、お誘い合わせの上、大津グランドに同窓会気分でご集合ください!部員一同、心より楽しみにお待ちしております!!
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