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『最後の準備 ランパス100本の理』

2014/10/19

 秋、ついに花園予選が開幕し、初戦の相手はやはり法政二高に決まった。春の大会、ノーシードだった横高が4位シードの法政二高を倒し、その勢いのまま4位となり関東大会出場を決めた。法政にとっては4位からノーシードへの悪夢の転落。

 その劇的勝利から6ヶ月の時を経ての再戦。あの勝利を機に津田組は一回りも二回りも強くなった。しかし法政も間違いなく強くなっている。激しく熱い勝負になる。我々がすべきことは、キックオフの直前まで最良の準備をし、63分間で持てる力を出し切ることだけだ。

 

 春の関東大会以降、絞り込んだ基礎スキルとチームスキルをしつこく念入りに磨いてきた。9月に入り、最後にして最重要なパーツ「フィットネス(戦い続けるスタミナ)」に着手。過去にないほどの長いフィットネス強化期間を耐え抜いた。

 

 横須賀総合戦前の3週間、根性や自己満足ではなく、ゲームでいかに活きるかを計算した様々なフィットネスメニューを必死でこなした。総合戦後の2週間はさらに追い込んだ。心肺機能、乳酸除去能力、走り続けるスタミナ、コンタクトし続けるスタミナ、ゲームの流れの中でのスタミナ。ゲーム解析に基づく科学的なフィットネストレーニングを徹底した。

 

 10月12日、そんなフィットネス期間の最後の日。場所は大津グランド。メニューは、日本ラグビーの「非科学・理不尽の象徴」、エディージョーンズだけでなく今や日本中で「悪しき慣習」として絶滅に危機に瀕しているあのメニュー。「ランパス」だ。もちろん、やるなら100本。

 科学と合理を追究するが、最後に勝敗を分けるのは非科学と非合理な力。それがラグビー。それが勝負。
 そこは大津グランド。100mダッシュ×10kmなんて、ゲームの走り方とはかけ離れている。ただそれでもランパスにこだわった。この非科学的理不尽トレーニングこそが「真のチームワーク」と「心の強化」に最良の手段だと確信しているからだ。

 例年ランパス100本は実はやってきたが、横高のグランドだから80m程度しかなかった。ここは大津、芝生できっちり100m。レストも妥協なく一定の最小時間。

 ターゲットが「真のチームワーク」と「心の強化」だから、部員たちに「今日は俺は誉めもしないし指摘や煽りもしない。自分たちだけでどう走り、どう雰囲気を作り、何にこだわり、どう振る舞い、どう団結すべきか判断し、自分たちだけで考えて戦い抜いてほしい」と告げた。私は(我慢して我慢して)自分の口を閉ざし、笛だけを100回定期的に吹き続けた。

 この練習、きっと間違いないとは思っていた。すばらしい、最高の練習になった。

 「アゲアゲ精神」と「不屈の魂」、横高ラグビー部のマインドが凝縮された2時間強。だからこそ60本目以降は足が鉛状態なのに、あちこちで笑顔が溢れていた。
(想定外?だったのは、ランパス100本×10km2時間強という異常なメニューを、力は抜いていないのに全くへばる気配無く、さほどスピードも落ちずにやり抜けたこと。それまでの1ヶ月近いフィットネス期間の成果が分かりやすく証明された!)


 

 最後の2週間は戦術の磨き上げ。たくさんのOBが、忙しい中僅かな合間をぬって来てくれた。強烈な体とスピードを持つOBたちの胸を借り、15対15を延々と繰り返し、やるべきラグビーに磨きをかけた。普段のBチーム相手ではできない最高の練習となった。


浮津組(浮津、沼田、木内)

稲垣組(稲垣)、岩田組(丸山、小野)、伊藤組(住浦、石倉、若原)、熊坂組(浅井) 

岩田組(田中、佐藤、松澤、中野、金本)、稲垣組(吉田)

 

 準備は完璧に完了した。やるべきことはやり抜いた。これで間違いなく、爽快な心で法政戦に臨むことができる。
 10月26日13時45分、待ち遠しくて仕方がない。
 OBの皆様、熱い試合になります!大応援団よろしくお願いいたします!!

 


 

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