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宇野組、3年間のノーサイド

2015/10/27

 10月24日、抜けるような青空にノーサイドの笛が鳴り響き渡り、宇野組の3年間の戦いは、ついに終わってしまった。相手は昨年度王者の慶應高校。「0-53」という無慈悲とも思えるスコア。客観的には妥当と思われるかもしれないが、宇野組の選手たちにとっては信じた結果とのあまりの差に、ショックを隠し切れなかった。


 ゲーム開始直後から、メンタルが原因と思わざるを得ないエラーが続いた。「これは絶対NG」と念入りに確認していたプレーを連発してしまう。基点のスクラムとラインアウトでも軽率なエラーを続け、自分たちの作り上げてきたアタックパターンを出すことすらできなかった。「キックオフ直後」と「ハーフタイム直前」にトライを許すなど、重要な時間を丁寧に戦うことができず、勝敗を争わせてもらえなかった。

 慶應の素晴らしい攻守に想定以上の圧力を受けたのも事実だが、メンタルエラーで「やってきたラグビーを出し切れなかった」感が強い無念の敗戦。メンタルコントロールには例年以上に取り組んできたつもりだったが、ノーホイッスルトライからの「切り替え」ができずに一角、また一角と崩れてしまった。それに対し、トライチャンスが訪れると落ち着いて自分たちのスタイルで着実にスコアする慶應は、付け入る隙もない程見事だった。

 

 このゲームの結果は無念だが、3年間というスパンで考えると「出し切った」という実感の選手がほとんどだろう。

 しんどくて逃げ出したい葛藤を何とか乗り越えた1年時。

 不器用ながらも男の生きざまを見せてくれた津田組の2年時には、多くの感動と挫折を味わった。

 3年になってからは、噂通り怒涛の如く時間が早く過ぎ去った。法政戦の挫折、市セブンスの地獄、全国セブンスの奇跡の大逆転劇による県3位、夏合宿の連勝街道、憧れのラグマガ特集、セントポール戦で体感したラグビーの文化的感動、充実感溢れる市大会優勝、壮絶なフィットネス期間とサプライズカレーパーティー、思い出せばきりがない程の喜怒哀楽を共有してきた。

 慶應との差は大きかったが、自分たちなりに「勝つ」「勝ちたい」という信を作り上げて決戦を迎えたこと、「この仲間たちとのラグビーを終わらせたくない」という感情に心揺さぶられ、涙が溢れたこと。自分の弱さと未熟さを知り、仲間への真の感謝を抱くことできたこと。そんな全ては、もがき苦しみながらも諦めずに何度でも立ち上がり、何度でも仲間たちと前に突き進んだ素晴らしい道のりを歩んだからこそ、手にすることができた宝物のような経験だ。

 

 横高ラグビー部はフィクションではない。ここで得た経験、人間力、価値観、感性を、余すところなく次のステージに活かし、素晴らしい人生を築き上げて欲しい。ここが終わりではなく、ここが素晴らしき人生へのターニングポイントとなって欲しい。まずは大学受験だ。ラグビー部で培った目標へのアプローチと、人間力と、ラグビーに打ち込んできた莫大なエネルギーを総動員し、本気の勝負に燃えて欲しい。頑張れ!頑張れ!しんどいときはいつでも「スマ~イル!」「ア~ゲアゲ~!」って、空に叫んできたじゃないか!



 

 伊藤組、津田組から受け継いだものを立派に継承し、横須賀高校ラグビー部宇野組は堂々と引退しました。ベスト8入りという目標は成りませんでしたが、宇野組が積み重ねてくれた階段の上に、残された1・2年生が努力を重ね、必ずや目標を達成したいと思います。

 保護者の皆様、OBの皆様、クラスメイトの皆さん、その他全ての応援してくださった皆様に、心から感謝申し上げます。1年間、本当にありがとうございました。
 10月26日、新生横高ラグビー部・塩島組がスタートしました。引き続き、応援宜しくお願い致します!







 

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