神奈川県立横須賀高校ラグビー部
vs横須賀総合 『歩んだ日々の証明』
2016/09/19
歩んできた道の証明。それは同じ相手との時を経ての再戦こそ分かりやすい。自分たちが努力しているその時間、きっと相手も努力している。停滞はすなわち、追い抜かれるか突き放されるかを意味する。
9月17日、横須賀市大会決勝・横須賀総合高校戦が行われた。公立NO1として負ける訳にはいかない相手。そして冬に「8-0(トライ数1-0)」で辛勝した相手との再戦。ただの一戦ではなく、複数の意味を持つ大きな一戦となった。
冬の市大会でトライ数1-0勝利した。実はこの試合、相手のキャプテン(SO)がケガで欠場していた。そんな条件下での辛勝。直後、悲壮感溢れる試合後練習が行われた。横高ラグビーが横高ラグビーであるために、己たちのプライドを保つために。この辛勝に安堵し、シャワーを浴びて帰る気にはなれなかったはずだ。
もしもこの勝利に満足した顔で帰路につく姿を横須賀総合の選手たちが目にしていたら、彼らにとってきっと「秋は倒せる」の記憶となっていたかもしれない。勝ってなお「良し」としない拘りを横総の選手たちの目に焼き付けることは、秋の再戦時の心理状態を想像しての戦略でもあった。
キックオフ前に、横総がこのゲームを一大決戦と位置づけ、最高の準備をしてきたことは容易に想像がついた。挨拶をしてくる選手たちの顔は、まるで最後の一日の覚悟ができたかのように、凛として澄み切っていた。いつもはこちらを油断させる為かのようなリップサービス攻撃?を仕掛けてくる坂本先生(元横高監督)も、この日の試合前はチーム状況やゲームについて一切口を開かなかった。グランドサイドには初めての光景、横総野球部員たちが応援団として多数並び、組織的な応援を行う準備ができている。
様々なプレッシャーの中で力を発揮できるか。負ける訳にはいかないこのゲームだが、今年の方針である選手たちの主体性を信じ、特に煽らず昂らせず、自分たちで作った雰囲気でゲームに臨んでもらった。
試合中、少々のメンタルエラーはあったものの、自分たちのラグビーを崩すことなくプレーすることができた。偶然性のある1本と自分たちのエラーで招いた1本の2トライを許したものの、いくら攻めさせてもこちらのDFが崩されることはなかった。アタックでバランス良く6トライを奪い、36-12の完勝。冬に互角だった相手に対してのこの結果は、自分たちの歩んだ努力の日々と方向性が正しかったということの証明となった。
コウタロウ(キャプテン)
『最後の横須賀総合戦、一週間、チームで最高の準備をして臨みました。やりたいアタックがあまりできませんでしたが、勝利することができて良かったです。この試合で出た課題を整理して、秋の大会に向けてもう一段階レベルアップしていきたいです。』
タイガ
『今回の試合は塩島組の成長を体現した試合になったと思いますが、僕自身はホッとしたというのが正直な気持ちです。「冬は8対0と辛勝した相手に大差をつけて勝てた」、このことはもちろん喜ばしいことですが、3年間いつもついて回った好敵手との呪縛からようやく解放された気分でひたすら安堵しています。ただ僕自身、防ぐことができた相手のトライを防げなかったことは猛省しなければなりません。残り1ヶ月を切りましたが修正できる点は全て修正し、万全の状態で花園予選に臨みたいと思います。』
ユキヒロ
『まずこの試合に勝てて本当に嬉しいです。もうこの相手とあの場所でやることもないと思うと、むしろ不思議な感覚です。個人的には、ゴール前でトライを取り切れなかったことや跳び込むタックルが多かったことが課題ですが、チームのテーマでもあったメンタルの部分は割と安定していたと思うので、前日までのイメージをより重ねることでもっといい状態に持っていけるようにします。
チームとしてもトライ後のトークなど、とても雰囲気がよくワンチームという感じがしました。それはタイガのおかげが大きいと思います。ありがとうございました。』
横須賀市大会は終わった。いよいよ残されたのは花園予選のみ。塩島組のここまでの歩みは正しかったはずだ。しかしこの延長線上に、花園予選の歓喜は存在しない。まだ変わるべき箇所は存分にある。全国区となった強豪シード校を倒すには、さらなる軌道修正が必要だ。我々が求めるものは、「好ゲーム」でも「好チーム」でもないのだから。
Bチーム、今は己を鍛えて高めるのみ!
横高への温かいエールには驚きました。その精神が素晴らしいですね!
ビッグニュース!!
昨年度キャプテン・宇野明彦が早稲田大学の選手として対抗戦デビューを果たしました!
1年生ながら春や夏もAチームで東海大や帝京大と対戦。最高のステージで頑張っています!
残念ながらアカクロではなく新セカンドジャージ(成蹊大が赤と黒のジャージなため)
その翌日は、立教大対早稲田の定期戦でした!
岩田組の濱須涼平が素晴らしいプレーで早稲田に対抗。
立教大、柏陽高校、横須賀高校という私の指導歴の教え子大集合!
左から岩田健太(岩田組→立教)、西田創(立教→NEC→現立教大ヘッドコーチ)、高橋駿介(津田組→立教)、高橋狩武(柏陽→立教)、宇野明彦(宇野組→早稲田)、濱須涼平(岩田組→立教)
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