神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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花園予選開幕 『想い』
2016/10/16
塩島組。決して楽な道のりでも、華やかな道でもなかった。しかし、地力は季節ごとにはっきりと高まった。
チーム始動直後。下級生が次々に退部し、ボロボロのメンタルで臨んだ新人戦は大敗。臥薪嘗胆の日々を乗り越えて迎えた関東大会予選。県屈指の実力を持つ法政二高に対して、堂々渡り合った。セブンスではその法政二高を倒し、東海大相模をあと一歩のところまで追いつめた。夏に入り、北信越王者の新潟工業や関東大会ブロック優勝の早稲田実業を下したマルボロカレッジに対し互角以上の闘いを演じ、ラストワンプレーで悔しすぎる逆転負けを喫した。
夏合宿では、戦術の試行錯誤が影響して、痛い負けを経験した。秋に入り、半年前に互角だった横須賀総合に危なげなく圧勝するも、その後すぐに他県の強豪に叩きのめされた。
どん底からスタートした塩島組は、実は近年のどの代よりも「敗戦」という成長に不可欠な経験を重ねてきた。決して下向くことなく必死でもがき、真摯に話し合い、地力を高め続けた。リスクを承知で様々な戦術にチャレンジし、試行錯誤の後に自分たちのスタイルは定まった。
10月15日、ホームグランドと言っていい大津公園グランド。苦しくても辛くても11人の絆を緩めることなく歩んできた塩島組の最後の闘い、花園予選が開幕した。
相手は松陽高校。極めて個人的な話だが、私が人生で初めてコーチングをした対象が松陽高校だった(タマリバクラブのラグビー教室にて)。伝統的に素直な選手たちがひた向きで一生懸命プレーする好チーム。3年間、決して恵まれているとは言えない境遇の中でも諦めずにラグビーを続け、たどり着いた花園予選だ。力差は予想できたが、相手をリスペクトし、徹底的に粉砕すべく全力で臨んだ。
最終スコアは「79-0」。いいプレーもいくつかはあったが、課題の残る出来だった。しかしそれは、松陽の素晴らしい魂のプレーが原因だろう。松陽の「俺たちはこう攻める」の明確なアタック、日頃の練習の景色すら想像できるブレイクダウン、最後まで追い続ける執念のDF。横須賀は全チャンネルをバランス良く攻めたが、松陽の気迫を前に、爆発させてはもらえなかった。
試合後の整列。「ありがとうございました!!」真っ赤な目をした松陽のキャプテンがクシャクシャの顔で必死に声を振り絞った。このチームの想いを背負いたい。心からそう思った。
シン
『個人として満足のいくパフォーマンスができたわけではないのですが、チームが初戦を突破できたことを嬉しく思います。また、今日もたくさんの応援の方々に来ていただき本当にありがとうございます。松陽高校の分まで次の試合も全力で戦いたいと思います』
わか
『 まずはみんなが大きな怪我なく第1戦を終えられた事にほっとしています。三友君が前日ミーティングで話していた「(松陽高校が)横須賀高校に負けて引退するなら悔いは無い、と思えるような試合をしたい。」という言葉通りの試合だったと思います。
今回私はタッチジャッジという形で試合に関わらせて頂きました。ステップを踏んで突破して行くみんなを追いかけながら、スクラムを組む時の闘志に満ち溢れたみんなの顔を見ながら、その力強さに圧倒されました。コンバージョンキックを蹴る岩佐くんの心臓の音が聞こえそうなくらい、その緊張が伝わってきて旗を握り締めました。相手が誰であっても、出せる力を全部出して本気で闘うみんなは最強に素敵です。
これから、プレイヤー達は心身共に極限まで自分を追い詰めて柏陽戦に向かっていくと思います。マネージャーの私には何が出来るのか、常に自分に問い掛けて一日一日大切に過ごしていきたいと思います。』
かな
『松陽戦前日のジャージ授与式で、キャプテンが一人ひとりに掛けていた言葉に、塩島組の絆の深さを感じさせられ、胸がいっぱいになりました。学年を越えて仲の良い、あたたかいチームだと改めて思いました。と同時に、こんなに素敵な仲間たちと少しでも長く一緒に居たいと強く思いました。
「いよいよ自分たちの代の花園予選が始まる…」と、その夜は緊張してあまり眠れませんでした。
迎えた松陽戦。低いタックルや、心配になってしまうほどの激しいコンタクトプレーからみんなの気迫が伝わってきました。本当にかっこよかったです。
初戦を勝利、そして怪我なしで終えることができて、ほっとしています。
忙しい中足を運んでくださった保護者の方々、OBの先輩方、先生方、3年生の方々、大きな大きな声援をありがとうございました!』
次の相手は柏陽高校。そう、お互いの伝統に深く刻み込まれたストリーを有する、あの柏陽高校だ。最後の対戦したのは、6年半前の関東大会予選。柏陽高校の監督は、横須賀高校に赴任して2週間の私。同様に横須賀高校の監督は、柏陽高校に赴任して2週間の伊藤先生(現・柏陽監督)という、前代未聞の状況下の決戦。
柏陽WTBは後の早稲田のエース・荻野岳志
激闘は「5-5」で終戦。抽選結果が出る瞬間までファーストジャージを誰も脱ぐことなく祈り続けた柏陽が、次戦への進出権を得た。あれから6年以上経つが、横須賀が公立校に敗れた最後の試合だ。この大会を最後に、私は柏陽高校監督を終えて横須賀高校監督に就任した。
http://hrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=136
↑当時書いた記事です。ぜひご一読を。
試合後に両校で。
現役選手たちにとっては、あまり関係のない昔話かもしれない。しかし歴史と伝統を有する双方のクラブ(OB会、保護者会、保護者OB、現役など関わる全ての人を包括する集団)にとっては、やはり特別な相手なのだ。前回横須賀が敗れている以上、クラブとしての対戦では我々がチャレンジャーの立場だ。
10月22日15時キックオフ。相手をリスペクトし、闘志は闘志でねじ伏せたい。きっと素敵な空間となる。
花園予選で1年生が5名も出場したのは過去最多。
前日は野球部から激励メッセージ(&激励一発芸)
↓ 開幕の1週間前、土砂降りの中「ゲバ」こと部内マッチが行われました。メンバー入りに向けた最後のセレクションであり、下級生が3年生に挑む最後のチャンスでした。
チーム始動直後。下級生が次々に退部し、ボロボロのメンタルで臨んだ新人戦は大敗。臥薪嘗胆の日々を乗り越えて迎えた関東大会予選。県屈指の実力を持つ法政二高に対して、堂々渡り合った。セブンスではその法政二高を倒し、東海大相模をあと一歩のところまで追いつめた。夏に入り、北信越王者の新潟工業や関東大会ブロック優勝の早稲田実業を下したマルボロカレッジに対し互角以上の闘いを演じ、ラストワンプレーで悔しすぎる逆転負けを喫した。
夏合宿では、戦術の試行錯誤が影響して、痛い負けを経験した。秋に入り、半年前に互角だった横須賀総合に危なげなく圧勝するも、その後すぐに他県の強豪に叩きのめされた。
どん底からスタートした塩島組は、実は近年のどの代よりも「敗戦」という成長に不可欠な経験を重ねてきた。決して下向くことなく必死でもがき、真摯に話し合い、地力を高め続けた。リスクを承知で様々な戦術にチャレンジし、試行錯誤の後に自分たちのスタイルは定まった。
10月15日、ホームグランドと言っていい大津公園グランド。苦しくても辛くても11人の絆を緩めることなく歩んできた塩島組の最後の闘い、花園予選が開幕した。
相手は松陽高校。極めて個人的な話だが、私が人生で初めてコーチングをした対象が松陽高校だった(タマリバクラブのラグビー教室にて)。伝統的に素直な選手たちがひた向きで一生懸命プレーする好チーム。3年間、決して恵まれているとは言えない境遇の中でも諦めずにラグビーを続け、たどり着いた花園予選だ。力差は予想できたが、相手をリスペクトし、徹底的に粉砕すべく全力で臨んだ。
最終スコアは「79-0」。いいプレーもいくつかはあったが、課題の残る出来だった。しかしそれは、松陽の素晴らしい魂のプレーが原因だろう。松陽の「俺たちはこう攻める」の明確なアタック、日頃の練習の景色すら想像できるブレイクダウン、最後まで追い続ける執念のDF。横須賀は全チャンネルをバランス良く攻めたが、松陽の気迫を前に、爆発させてはもらえなかった。
試合後の整列。「ありがとうございました!!」真っ赤な目をした松陽のキャプテンがクシャクシャの顔で必死に声を振り絞った。このチームの想いを背負いたい。心からそう思った。
シン
『個人として満足のいくパフォーマンスができたわけではないのですが、チームが初戦を突破できたことを嬉しく思います。また、今日もたくさんの応援の方々に来ていただき本当にありがとうございます。松陽高校の分まで次の試合も全力で戦いたいと思います』
わか
『 まずはみんなが大きな怪我なく第1戦を終えられた事にほっとしています。三友君が前日ミーティングで話していた「(松陽高校が)横須賀高校に負けて引退するなら悔いは無い、と思えるような試合をしたい。」という言葉通りの試合だったと思います。
今回私はタッチジャッジという形で試合に関わらせて頂きました。ステップを踏んで突破して行くみんなを追いかけながら、スクラムを組む時の闘志に満ち溢れたみんなの顔を見ながら、その力強さに圧倒されました。コンバージョンキックを蹴る岩佐くんの心臓の音が聞こえそうなくらい、その緊張が伝わってきて旗を握り締めました。相手が誰であっても、出せる力を全部出して本気で闘うみんなは最強に素敵です。
これから、プレイヤー達は心身共に極限まで自分を追い詰めて柏陽戦に向かっていくと思います。マネージャーの私には何が出来るのか、常に自分に問い掛けて一日一日大切に過ごしていきたいと思います。』
かな
『松陽戦前日のジャージ授与式で、キャプテンが一人ひとりに掛けていた言葉に、塩島組の絆の深さを感じさせられ、胸がいっぱいになりました。学年を越えて仲の良い、あたたかいチームだと改めて思いました。と同時に、こんなに素敵な仲間たちと少しでも長く一緒に居たいと強く思いました。
「いよいよ自分たちの代の花園予選が始まる…」と、その夜は緊張してあまり眠れませんでした。
迎えた松陽戦。低いタックルや、心配になってしまうほどの激しいコンタクトプレーからみんなの気迫が伝わってきました。本当にかっこよかったです。
初戦を勝利、そして怪我なしで終えることができて、ほっとしています。
忙しい中足を運んでくださった保護者の方々、OBの先輩方、先生方、3年生の方々、大きな大きな声援をありがとうございました!』
次の相手は柏陽高校。そう、お互いの伝統に深く刻み込まれたストリーを有する、あの柏陽高校だ。最後の対戦したのは、6年半前の関東大会予選。柏陽高校の監督は、横須賀高校に赴任して2週間の私。同様に横須賀高校の監督は、柏陽高校に赴任して2週間の伊藤先生(現・柏陽監督)という、前代未聞の状況下の決戦。
柏陽WTBは後の早稲田のエース・荻野岳志
激闘は「5-5」で終戦。抽選結果が出る瞬間までファーストジャージを誰も脱ぐことなく祈り続けた柏陽が、次戦への進出権を得た。あれから6年以上経つが、横須賀が公立校に敗れた最後の試合だ。この大会を最後に、私は柏陽高校監督を終えて横須賀高校監督に就任した。
http://hrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=136
↑当時書いた記事です。ぜひご一読を。
試合後に両校で。
現役選手たちにとっては、あまり関係のない昔話かもしれない。しかし歴史と伝統を有する双方のクラブ(OB会、保護者会、保護者OB、現役など関わる全ての人を包括する集団)にとっては、やはり特別な相手なのだ。前回横須賀が敗れている以上、クラブとしての対戦では我々がチャレンジャーの立場だ。
10月22日15時キックオフ。相手をリスペクトし、闘志は闘志でねじ伏せたい。きっと素敵な空間となる。
花園予選で1年生が5名も出場したのは過去最多。
前日は野球部から激励メッセージ(&激励一発芸)
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