大きくする 標準 小さくする

山手学院戦 『なぜあと1mが届かなかったのか』 

2016/12/27

 勝利という結果だけが欲しかった。相手より明らかに力がないのに。
 かつてのどの代よりも戦力レベルが低く、入学以来勝った記憶がほとんどない学年の公式戦初戦。「自分たちの現状の力以上の結果は望めない」というシンプルな道理は理解ができる。しかし、私が赴任した7年前から、ノーシード校に負けたのはシードの立場を失った関東学院戦(伊藤組)と法政戦(津田組)のみ。言い換えるなら、3回戦に進めなかったことはかつて一度もなかった。現時点でシード校に挑む力など全く持っていないが、それでも大会戦績ワースト記録は出したくなかった。

 12月24日、クリスマスイヴ。新人戦初戦・山手学院戦が行われた。新チームになった直後の11月に練習試合で対戦し、7-34で軽々と粉砕された。それもそのはず、2年前の記憶、宇野組の新しい戦術の試験として組んだ夏の練習試合で、差をつけて勝利するも試合展開にストレスと抵抗は十分に感じていた。相手メンバーの実は大半が1年生だと聞き、2年後に山手史上最強かもしれないチームが育つことは分かっていた。

 練習試合の大敗から僅か1ヶ月の期間でつく力などたかが知れている。そんな魔法はない。相手よりも二段は低い地力で勝つために、がっぷり四つの戦いでは勝ち目がないから、小技とゲームメイクを駆使して勝機を手繰り寄せるしかなかった。自主性路線から離れることは承知で、久々に戦術や戦い方にかなり介入した。
 0-19で折り返し、17-19まで詰め寄ったラストワンプレー。ゴール前1mで手渡しパスがスローフォワードの判定。ノーサイド。横高ラグビー部としては過去に記憶がない「年を越せず敗退」となった。

 あと1分あれば、あと1m進めば逆転サヨナラ勝利だった。一人ひとりがそれぞれ思い出す「俺のあのワンプレー」だけで勝利することができていたのかもしれない。「あのとき自分がタックルしてれば」「あのとききつくても根性で体を動かしていれば」「あのとき・・・」。

 部員思いの優しいマネージャーたちがこっそり準備を進めていた翌日のクリスマスパーティーは中止になった。イヴにも全く心躍らず、何をしていても思い出したくない結果が頭から消えない。これから迎える冬休みの目標も失った。自分というたった一人が、たったワンプレーだけ頑張れていれば、こんなにも長い、こんなにもつまらない思いをチーム全員がしなくて済んだのに。
 

 塩島組が掲げたテーマ「Independence」を1年間だけのテーマでなく、横高ラグビーの文化に昇華しようと、様々な自主的運営の工夫が凝らされている村上組。システムに乗って生きていれば、ある程度自主的運営の当事者となる。
 しかし最も大切なのは、本当に「自分が」「自分の意志で」何かのアクションを起こしているのかだ。

 ラグビーはとことん自分の人間性が現れるスポーツだ。ごまかしが利かない。日常生活から見て見ぬふりをする人間、誰かに見られているときだけ動く人間、誰かがやってくれると思って一人きりでは行動に移せない人間、「考えてみよう」と言われたことしか考えない想像力と当事者意識のない人間、そんな自分がこの「あと1m」の敗戦を導いたのではないか。
 自主性路線が生み出す大きな力は、チームの自主運営システムから生まれるものではない。一人ひとりが、誰も見ていない日常の一つの行動から変えていくことから生まれるものだ。


 

以下、冬休み日記

山手戦の前日、今年もタグラグビー大会の運営

赤羽前トレーナーの結婚式 at六本木ヒルズ おめでとう!

マネージャーへ、日頃の感謝を込めてお笑いとギフト


宇野明彦(宇野組主将。早大ラグビー部員として大活躍シーズンでした。)
練習お疲れ様でした。新人戦は負てしまいましたが、切り替えて次の目標に向かって頑張ってください。応援してます。

練習納めは、ゲバ(部内マッチ)。その後来てくれたOBたちと実践練習。

岩田健太(岩田組主将。立教大ラグビー部の4年間を終え、春から企業就職)
『自分に厳しく、高い目標を持って頑張ってください。』

稲垣太一(稲垣組主将。名門クラブ・慶應BYBのキャプテンを終え、春から企業就職)
『今日はありがとうございました。悔しさを忘れずに頑張ってください。』

伊藤智将(伊藤組主将。北海道大学ラグビー部所属)
『この冬期間の積み重ねが、春のいい結果につながると思うので頑張ってください。』

金本和也(岩田組。明治学院大学ラグビー部の4年間を終え、春から企業就職)
『今の時期が辛いと思うけど、今やっていることが春以降につながると思うので、頑張ってください。』

小野達哉(岩田組。上智大学ラグビー部次期キャプテン予想)
『本日はありがとうございました。辛い時期もあると思いますが、秋に向かって突っ走っていってください。』

佐藤駿兵(岩田組。成蹊大ボート部所属)
『HPやOB会報で活躍を見ています。頑張ってください。』

濱須涼平(左3。岩田組。立教大ラグビー部の4年間を終え、春から小学校教諭)
『今の状況を当たり前だと思わず、楽しく過ごしてください。ありがとうございました。』
蛭田周平(左4。岩田組。多摩美術大、湘南美術学院所属。展覧会開催など活躍中)
『白いご飯いっぱい食べてください』
↑ちなみに蛭田は、高校時代「不器用な自分は身体で勝負するしかない」と決意し、5ヵ月で30キロ増の記録を出しました。作品はこちら↓
http://hiruworking.com/
松村洋空(左2。伊藤組。名古屋大学ラグビー部所属)
『寒い中の練習で大変だと思いますが、関東予選に向けて頑張ってください』


ラグビーヶ丘に向かって、この世のあらゆるものに対して礼。

練習後は50年以上の歴史を有するラグビーヶ丘整備

2016年も温かい応援、本当にありがとうございました。
部員一同この幸せをかみしめ、来年も精進します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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