神奈川県立横須賀高校ラグビー部
横高レジェンド・NEC臼井選手来たる & 日比谷高校合同二部練
2017/02/21
危機感、緊張感、充実感に満ちた市大会の翌週。東京の誰もが知る伝統進学校・日比谷高校がはるばる横高まで訪れて、午前午後二部構成で合同練習を行った。
その後の3~4週間が入試・期末試験休みに入ることもあり、もともとは個人練習と身体作りの予定だった。しかしU17関東選抜チームの監督でもある日比谷高校の宮崎先生から「試合でも練習でもいいので、ぜひ横須賀高校を感じさせてほしい」と連絡があり、この流れとなった。
歴代の先輩方とは異なり、「最下層からの挑戦」と自覚している村上組。あちらの想像と期待に応えられる戦力はとてもない。それでもこの7年間で試行錯誤を重ねて創り上げてきた様々な工夫や手法なら、年ごとに進化してきた自信はある。
公立校がベスト8に入ること道が極めて険しい神奈川と東京。進学校として勉強のプレッシャーも常にかけられ続ける。似たような境遇の(しかも我々より遥かに知性的な)日比谷高校なら、我々が勉強になる部分もあるに違いない。
「1週間かけて絶対にとれるラインアウトサインと、絶対に競れるラインアウトDFを用意してきてください。せっかく頭脳に秀でたチームとの合同練習です。将棋のようなチェスのような頭脳戦を、100本ラインアウト勝負で楽しみたいです。もちろん工夫のしどころが満載のモールも」というリクエストを宮崎先生にお願いし、我々も言ったからには新しいラインアウトサインなどを考案してその日を待った。
午前は15対15を試合強度で2時間強、学年ごとに一緒に弁当を食べた後、午後はFWが100本ラインアウト(おそらく130本は超えた)とモール、BKが1次アタックサインとお互いの練習メニューの紹介を、3時間程度行った。
最後はアフターマッチファンクションで同志意識を深め、充実の一日を終えた。日比谷高校の学び取ろうとする意欲はとても高かった。「これでよし」とせず、学び続ける姿勢かがる限り、チームも個人も成長を続けるだろう。停滞は退化の始まり。横高も彼らの姿勢を見習い、学び続けたい。
タカキ(キャプテン)
『今回この合同練習をしてみてチームの前々からの課題であるフィジカルがまだまだだなと感じました。自分たちも日比谷さんを超えるサイズになれるように、春に向けて努力していきます。また、日比谷さんの学ぶという姿勢を自分自身持ち続けたいと思います。』
宮崎先生(日比谷高校監督、U17関東選抜監督)
『県立横須賀の強さの真髄を垣間見た一日でした。細部に拘りを感じることができ、勝つための工夫がグランドの中も外も散りばめられている。それを何年も積み重ねた結果がこの日の日比谷との違いに現れていたと思います。また松山監督の提案で当日のテーマを一週間トレーニングして臨んだことで、遠征前のワクワク感は生徒達にとってもこれまで経験したことのない体験でした。
日比谷はこの日屈辱にまみれましたが、横須賀の良いところを全部真似ても到底追いつくことはできない。取捨選択しながら知力を駆使して工夫する、継承できるものを一つずつ増やす、そして地道に鍛錬して、その積み重ねが勝利とともに愛されるチームになるためにたった今から必要です。
このような特別な経験をさせてくださった選手の皆さん、スタッフの方々、そして松山監督に最高の感謝を送りたいと思います。日比谷にとって2月12日は特別な一日になりました。』
日比谷高校・上野キャプテン
『アタック、ディフェンス共にセットのスピードが速く、統率のとれたプレーに圧倒されてしまい、悔しい一日でした。また、グランドの外でも、具体的なチームや個人の目標を共有して練習、試合に臨んでいることが徹底されていて、ここが自分たちに足りない、と感じさせられました。練習を楽しめるような工夫や、グランド以外でどう過ごすかなど吸収できることは吸収し、横須賀高校に勝てるようなチームに成長したいです。』
それから3週間、高校入試と学年末試験に伴う長期自主練期間に突入した。と思ったら、僅か1日だけ練習してもよい日曜が。そんな貴重な1日の練習日に、60年間の横須賀高校ラグビー部史上、最もラグビー界の高みに上り詰めた屈強な漢が母校のグランドを訪れてくれた。
臼井陽亮。横高に入学した後にラグビーをはじめ、卒業後は早稲田でレギュラーとして学生日本一の立役者に。現在はNECグリーンロケッツで現役トップリーガーとして活躍中。現在トップリーグ97キャップ(あと3試合で100!)。日本の最高峰でプレーを続ける横高のレジェンドだ。
http://rugby.necsports.net/member_detail/id=31
これほど経験豊富な男が来てくれたのだ。その日は3時間まるごと彼に託させてもらった。
『本日は貴重な練習の機会にお邪魔させていただきありがとうございました!
少しでも横高ラガーにラグビーの楽しさが伝えられたらと思い、自分でメニューを考えましたが、指導やしきり等至らないことが多く、学生に各セッションの意図や仕組みをうまく伝えられたか心配です。
グラウンドでは、とにかくラグビーというスポーツを楽しんでほしいってことと、高校三年間の引退までに自分がどれだけ成長できるかをみんなと力を合わせてチャレンジしていってほしいということを言ったのですが、喋ることがなにぶん下手なので…。
しかし、自分とってはいい経験ができました!次回はこれを糧にまた指導していけたらと思いました。またよろしくお願いします!』
タケル
『しばらく休みだったこともあり、激しい練習はしませんでしたが、とても有意義な時間だったと思います。いままで自分達が知らなかった様な技術や知識を教えて頂きましたが、何よりもまずは基本的なスキルや心がけが大事であると個人的には感じました。次からの練習では教わったことを反映させてまた成長できるようにしたいと思います。』
3月第1週に学年末試験を終えると、春休みに控える遠征と関東大会予選に向けて一気にチームを作っていくことになる。明けからロケットスタートが切れるよう、今は試験勉強とビルドアップに専念し、楕円球への飢えを感じ続けて欲しい。
ラグビーヶ丘は全てのOBの故郷ですね。みんな、これからも時々帰ってきてくださいね。
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