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新人戦2回戦 vs桐蔭中等 『対応力』

2014/12/22

 新人戦予選プール第2戦、相手は桐蔭学園中等教育学校。率いるは全国区の雄・桐蔭学園を育て、全国に導いた名将・加藤清澄監督。かつて全国2連覇の相模台工を破るために試行錯誤し、ついに牙城を崩して今の桐蔭時代を築き上げた。勝負がなんたるか、百を超える戦いの中で感じ、考え抜き、きっと独自の信念を持っている。推薦入学や人工芝のグランドなど、人材と環境に恵まれた私学はあちらこちらに存在する。中等はそれらがなくとも哲学と人間教育を通じて勝利をリアルに追求する。合理の裏に燃えたぎる炎。そう、つまりは心から尊敬する指導者のチームとの戦いなのだ。

 本音を言うと、自信はあった。宇野組の今のアタック力を考えると、ある程度点差をつけられるのではないかという程度の自信。しかし、同時に存在するのは何層にもなる畏れだ。ラグビーというものに対する畏れ、勝負に対する畏れ、そして加藤清澄監督に対する畏れ。充実感、自信、畏れ、尊敬、そんな幾重の心地よい感覚を抱き、中等との勝負に臨んだ(当の選手たちのメンタルは違ったのかもしれないが…)。

 11時キックオフ。開始5分、「やはり今日はタイトなゲームになるか…」。緊張からか単純なハンドリングエラーを繰り返す横須賀のアタックに対し、中等のDFラインは乱れることなく、ゲインを許さない。キックを用いればある程度楽に敵陣に行くことはできたが、自陣からでもアタックを強行することでゲームを一気に動かすプランだった。ゲインできない苦しい自陣アタックが続いた。
「10-0」で迎えた前半20分、相手を勢いづけるトライを与えてしまう。中等のダイナミックで素晴らしいアタックによるトライ。「今日は競ることになるな…」は確信となった。

 しかし、ここから宇野組はとても良かった。ハーフタイム、選手たちだけのチームトークがかつてないほど充実していた。目の前の相手と自分たちの状況を的確に分析し、次の局面がベターになるように選択肢を選ぶ。後半はそんなゲーム対応力の成長を感じることができる展開となった。
 「一気に差をつける」と「合理的に勝つ」の配分を調整。勝負どころのセットプレーでスクラムの「ノットストレート」やラインアウトの「ダブルハーフ」など、ショウモナイミスでチャンスを失うこともあったが、後半はポゼッション(ボール支配率)もテリトリー(エリア支配率)も優位に立ち、最終スコア「27-7」で緊張感のあるゲームを制した。


カズヒロ
『大事な試合で勝つことができ、次の東海大相模にチャレンジできることが何より嬉しかったです。また、自分自身としての課題や収穫が得られたゲームになったので、冬休みの強化期間の中で少しでも強くなって、そこで積み上げてきたものを発揮できるような冬休みの過ごし方を心掛けたいです。』

コウタロウ
『準備してきたことを発揮して、無事勝利できとてもほっとしました。しかし、個人としてもチーム全体としても多くの課題が見つかりました。これからの冬休みでそれら課題を修正して万全の態勢で相模戦へ臨めるようにしたいです。』

コウヘイ
『僕は追浜戦では何にもすることができず、チームに貢献することができませんでした。また怪我をしてしまい悔しい思いしか残りませんでした。その悔しさをバネとして、この二週間「打倒中等」として練習とリハビリをしてきました。試合では、目標としていた先輩マークをずらすために相手をひきつけることを達成し、勝つことができて大きな達成感がありましたが、その一方タックルができなかったのが悔いに残っています。相模戦までにはこの課題のタックルを練習していきたいと思います。』

 50分のストーリーを楽しむことを意識して臨んだが、負けるわけにはいかなかった。これから迎える冬休み、新人戦を終えてしまい過ごすのと、休み明けのビッグチャレンジに向けて過ごすとでは、気持ち的に大きな差がある。
 1月11日は、強豪というよりもはや超強豪・東海大相模。桐蔭・慶應の二強に対し、実力も部員数も引けを取らないところまできているチームだ。正月に福岡で行われるサニックスワールドユース予選会に参加するということは、全国に視野と意識を合わせているのだろう。そんなチームへの挑戦、選手たちからもすでにワクワク感がにじみ出ている。


 

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