神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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vs慶應高校 『ターニングポイント』
2010/12/25
慶應高校、春の大会で桐蔭を大差で下して優勝し、関東大会では準優勝。秋も花園出場を決め、この2日後に大阪入りをする。そんな全国区の強豪校と、1年生試合ということで胸を借りる機会が実現した。大敗か、惜敗か、勝利か。誰もが想像もつかない。ただし、大敗なら屈辱と悔しさを、惜敗なら後悔を、勝利なら自信を、どんな結果になろうとも有益に違いない刺激が手に入ることは間違いなかった。まだラグビーを始めて数試合も経験していない1年生がほとんどだ。型にはめることなく、戦術や事前の練習メニューなど何もかも自分たちだけで話し合い、組み立て、この刺激的な勝負に臨んだ。
実はキックオフ前に異変に気づいていた。「ん?似てるだけ?え?出るの?」何のことかというと、相手メンバーに神奈川県選抜強化メンバーの2年生が複数いるじゃないか。キックオフ直後に慶應3年生に確認したところ、「花園に臨むトップ30+3年生以外のメンバーで構成されています。半分くらい2年生ですよ。え?横須賀みんな1年生なんですか!?」 ということだ。まぁ言い訳を準備して戦って得られるものなど何もないから、黙っておこう・・・。
11時キックオフ。開始早々からかなり長い時間、横高が敵陣ゴール前で攻め続ける。しかし最もプレッシャーのきついゴール前。自由に個人が単発で仕掛けてゴールを割らせてくれるほど慶應が甘いわけがない。何度もゴールライン直前まで迫るも、結局スコアできず。DFでは連続でナイスタックルを連発するが、相手の組織だったアタックに少しずつゲインされる。5フェーズ以上、体を張ったタックルで凌いでは相手のミスなどでターンオーバーという流れが何度も続いていたが、ディシプリンの欠如からペナルティーを犯してゴール前へ。粘るもついにゴールを明け渡してしまった。
後半も同じ流れが続く。何度もゴールに近づくもスコアできないが、DFも必死のタックルで粘り続ける。お互いが1本ずつ取り合って、いよいよ勝負の時間帯を迎える。しかしこれだけDFを頑張り続けていたのに、根性だけではどうにもできない箇所が崩壊。「ここが勝負」のタイミングで、ことごとくラインアウトを自らのミスで失ってしまった。「たられば」を山ほど残し、「7-14」でノーサイド。
後悔と自信、両方が手に入ったのは上出来だ。「タックルができればラグビーは勝利に限りなく近づける」の確信も掴めただろう。「7-14」 相手は2年生が半数。悲観的になるスコアでもない。しかしこれは現時点での差だということを忘れてはいけない。果たして1年後、1年半後、この差がどうなっているのか。
ハード面を残酷にも比べてみる。県トップクラスの強豪附属(神奈川の普通部・東京の中等部)とラグビースクールから、毎年20~30名の選手が上がってくる。合宿日数は横高の5倍以上か。コーチなど指導者はこの日グランドにいた数だけで10名。人工芝のグランドに慶應大学進学という大きすぎる保障。慶應と横高、同じ温度で3年間を過ごした場合、その差は開き続けるしかないだろう。この環境差を屈返せる可能性は、「気概」「覚悟」「意地」「執念」つまり、心の部分からしか生まれない。それに基づく、やっぱり「日々の努力の継続」。
ゲームキャプテン・ケンタ
『ただの練習試合なのにと思う人もいるかもしれないですが、1年17人にとっては、ここが自分達の代へむけての一つのスタートラインであり、目標への距離が明確なものとなった大事な試合でした。試合後にこの試合を忘れちゃいけない、という話をみんなでしました。私立は人材・環境等で恵まれているし…。俺たちは勉強もしなきゃいけないし…。そういったものは言い訳でしかなく、きりがないほどあげることができると思います。リアルに目標を追い求めていくには、誰かに言われてやるのではなく自分で行動を起こさなきゃいけないと思います。きっとそのことはみんな頭ではわかっています。行動するだけ。そしてこのメンバーならきっと共に戦っていけると信じています。これからも応援よろしくお願いします。』
からっち
『ウエイトルームで、初めて慶應高校と試合することを聞き、もうあっという間に試合当日。当日の朝、日吉駅に集まった一年生は、全員同じ事を考えていたと思います。今までやってきた事が慶應高校という相手に通じるのか、自分たちはどこまでいけるのかと。実際、自分でも「こんなヒョロい人なんていないだろうし、大丈夫かな。」と思っていました。試合開始の笛。自分たちの強み、コールとディフェンス(タックル)を信じ、60分間を走りまくりました。前後半ともに、盛り上がりは負けてませんでしたが、一人一人の責任の意識が欠けてしまっため、14-7という とても悔しい結果になってしまいました。自分は試合では初めて出るポジションでしたが、特にアタック中心で仲間にたくさん迷惑をかけてしまいました。キャッチミス・ポジショニング 全てが練習していることなのに、成功しませんでした。普段の練習の意識の低さを痛感しました。しかし、収穫できたものも多く、チーム全体の自信と基準となる試合になりました。これから二年間、自分たちがどう生活していけば、自分たちが目指すとこまで行けるのか考え、日々の練習に打ち込んでいきたいです。』
きゃべつ
『今回の試合は足の捻挫から復帰の第一戦となりました。相手は慶應高校ということで、大きな不安と期待が入り混じった気持ちで試合に臨みました。未経験の背番号1で出場したのですが、スクラムが悲惨な結果となってしまったのが悔しいです。他にも、ディフェンスミスなど、多くの失敗がありました。しかし、チームみんながしっかりディフェンスをしてくれたので、そのミスを取り返すことができました。自分の無力さを感じました。この試合は今までの中でも、本当に多くの課題を見出すことができました。様々な面で、とてもいい試合ができたと思います。』
「7-14」の現状を楽観してはいけない。何を思い、どこに腹を据え、どう過ごすのか。もしもこの7点差を1年半後に覆すことができたとしたら、一人ひとりが人間としてとてつもなく大きな成長も遂げていることだろう。そんなカッコいい奴らが集まる、逞しい集団になっているだろう。
vs慶應、己が現状を維持すれば、相手はどこまでも上方へ遠ざかる。そんな関係。1年生にとってこの試合をどう捉えるかが、大きなターニングポイントとなる。「闘うか、ごまかすか、割り切るか」決めるのは、一人ひとりの心の中でしかない。
実はキックオフ前に異変に気づいていた。「ん?似てるだけ?え?出るの?」何のことかというと、相手メンバーに神奈川県選抜強化メンバーの2年生が複数いるじゃないか。キックオフ直後に慶應3年生に確認したところ、「花園に臨むトップ30+3年生以外のメンバーで構成されています。半分くらい2年生ですよ。え?横須賀みんな1年生なんですか!?」 ということだ。まぁ言い訳を準備して戦って得られるものなど何もないから、黙っておこう・・・。
11時キックオフ。開始早々からかなり長い時間、横高が敵陣ゴール前で攻め続ける。しかし最もプレッシャーのきついゴール前。自由に個人が単発で仕掛けてゴールを割らせてくれるほど慶應が甘いわけがない。何度もゴールライン直前まで迫るも、結局スコアできず。DFでは連続でナイスタックルを連発するが、相手の組織だったアタックに少しずつゲインされる。5フェーズ以上、体を張ったタックルで凌いでは相手のミスなどでターンオーバーという流れが何度も続いていたが、ディシプリンの欠如からペナルティーを犯してゴール前へ。粘るもついにゴールを明け渡してしまった。
後半も同じ流れが続く。何度もゴールに近づくもスコアできないが、DFも必死のタックルで粘り続ける。お互いが1本ずつ取り合って、いよいよ勝負の時間帯を迎える。しかしこれだけDFを頑張り続けていたのに、根性だけではどうにもできない箇所が崩壊。「ここが勝負」のタイミングで、ことごとくラインアウトを自らのミスで失ってしまった。「たられば」を山ほど残し、「7-14」でノーサイド。
後悔と自信、両方が手に入ったのは上出来だ。「タックルができればラグビーは勝利に限りなく近づける」の確信も掴めただろう。「7-14」 相手は2年生が半数。悲観的になるスコアでもない。しかしこれは現時点での差だということを忘れてはいけない。果たして1年後、1年半後、この差がどうなっているのか。
ハード面を残酷にも比べてみる。県トップクラスの強豪附属(神奈川の普通部・東京の中等部)とラグビースクールから、毎年20~30名の選手が上がってくる。合宿日数は横高の5倍以上か。コーチなど指導者はこの日グランドにいた数だけで10名。人工芝のグランドに慶應大学進学という大きすぎる保障。慶應と横高、同じ温度で3年間を過ごした場合、その差は開き続けるしかないだろう。この環境差を屈返せる可能性は、「気概」「覚悟」「意地」「執念」つまり、心の部分からしか生まれない。それに基づく、やっぱり「日々の努力の継続」。
ゲームキャプテン・ケンタ
『ただの練習試合なのにと思う人もいるかもしれないですが、1年17人にとっては、ここが自分達の代へむけての一つのスタートラインであり、目標への距離が明確なものとなった大事な試合でした。試合後にこの試合を忘れちゃいけない、という話をみんなでしました。私立は人材・環境等で恵まれているし…。俺たちは勉強もしなきゃいけないし…。そういったものは言い訳でしかなく、きりがないほどあげることができると思います。リアルに目標を追い求めていくには、誰かに言われてやるのではなく自分で行動を起こさなきゃいけないと思います。きっとそのことはみんな頭ではわかっています。行動するだけ。そしてこのメンバーならきっと共に戦っていけると信じています。これからも応援よろしくお願いします。』
からっち
『ウエイトルームで、初めて慶應高校と試合することを聞き、もうあっという間に試合当日。当日の朝、日吉駅に集まった一年生は、全員同じ事を考えていたと思います。今までやってきた事が慶應高校という相手に通じるのか、自分たちはどこまでいけるのかと。実際、自分でも「こんなヒョロい人なんていないだろうし、大丈夫かな。」と思っていました。試合開始の笛。自分たちの強み、コールとディフェンス(タックル)を信じ、60分間を走りまくりました。前後半ともに、盛り上がりは負けてませんでしたが、一人一人の責任の意識が欠けてしまっため、14-7という とても悔しい結果になってしまいました。自分は試合では初めて出るポジションでしたが、特にアタック中心で仲間にたくさん迷惑をかけてしまいました。キャッチミス・ポジショニング 全てが練習していることなのに、成功しませんでした。普段の練習の意識の低さを痛感しました。しかし、収穫できたものも多く、チーム全体の自信と基準となる試合になりました。これから二年間、自分たちがどう生活していけば、自分たちが目指すとこまで行けるのか考え、日々の練習に打ち込んでいきたいです。』
きゃべつ
『今回の試合は足の捻挫から復帰の第一戦となりました。相手は慶應高校ということで、大きな不安と期待が入り混じった気持ちで試合に臨みました。未経験の背番号1で出場したのですが、スクラムが悲惨な結果となってしまったのが悔しいです。他にも、ディフェンスミスなど、多くの失敗がありました。しかし、チームみんながしっかりディフェンスをしてくれたので、そのミスを取り返すことができました。自分の無力さを感じました。この試合は今までの中でも、本当に多くの課題を見出すことができました。様々な面で、とてもいい試合ができたと思います。』
「7-14」の現状を楽観してはいけない。何を思い、どこに腹を据え、どう過ごすのか。もしもこの7点差を1年半後に覆すことができたとしたら、一人ひとりが人間としてとてつもなく大きな成長も遂げていることだろう。そんなカッコいい奴らが集まる、逞しい集団になっているだろう。
vs慶應、己が現状を維持すれば、相手はどこまでも上方へ遠ざかる。そんな関係。1年生にとってこの試合をどう捉えるかが、大きなターニングポイントとなる。「闘うか、ごまかすか、割り切るか」決めるのは、一人ひとりの心の中でしかない。
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