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横須賀セブンス 『下を向いて歩こう』

2011/06/28

 「上を向いて歩こう」、メロディーも伴う日本人の大好きなフレーズ。物事はすべてポジティブにとらえたい。後ろ向き、消極的、諦め、人間なら仕方が無いかもしれないけど、ラグビーで勝利を目指す以上は、そんな時間は1秒でも短い方がいい。6月26日、横須賀市7人制大会、試合後に話したのは「上」ではなく「下を向いて歩こう」だった。

 横須賀高校は昨年同様3チーム+1年生未経験者チームの4チームで参戦。「優勝を義務付けたチーム・横須賀C」を2年生で構成し、あとは「3年生チーム・横須賀B」と「それ以外チーム・横須賀A」という構成。2年生チーム以外は、正直セブンスは不向きな選手が揃う肉弾モール集団。Cの圧倒的優勝と1年生(未経験者)トーナメント優勝、AとBの健闘を狙ったが・・・。

 Cがまさかの初戦敗退。セブンスは恐ろしい。先月、公式大会で早稲田が高校日本代表をメンバーに連ね、新潟大学に敗退するという大事件が起こった。基本的には天賦の才能の発揮される領域が大きい。しかし気持ち、集中力、嗅覚、あとは若干の運で不思議なことにひっくり返されることが多々ある。この試合のCは、気持ち、集中力、嗅覚などすべてで相手より劣ってしまった。比較的あっさりリードを広げた序盤で、気持ちが完全に緩みきった。修学旅行でなまりきったフィットネスは底を突き、相手の闘志のあるプレーに煽られ続けている。なのに「どうせ勝てるだろ」の雰囲気は消えない。慢心プレー、適当プレーの連続。まさかの大逆転でノーサイド。取り返しのつかない敗戦となった。

 このCの敗北で、横高は完全に動揺して分裂。A対B、1年生試合や決勝に進んだBの試合も、散り散りに腕組みして無関心な顔で観戦。チームとして、組織として崩壊してしまった。
 横須賀総合に負けた。取り返しのつかない事実。秋の15人制市大会でリベンジするまでは、我々は横須賀総合以下の存在だ。久里浜などで総合のバッグを持つ選手とすれ違うときは、格上の相手様に対して背中を丸めて目を伏せればいい。我々は負け犬なのだから。総合とすれ違うときは、下を向いて歩こう。ただし、胸の奥に鋼鉄をも溶かす復讐の火を燃やして。この屈辱を忘れてはいけない。臥薪嘗胆。大切なので繰り返す。臥薪嘗胆。秋の一戦まで。


いわゆるシボリ。屈辱を心に刻み込むために。


シュウヘイ(気迫のこもったプレーで猛アピール。成長真っ只中)
『終始気持ちで勝つことができませんでした。初戦は横須賀BのFW軍団に苦戦しました。ゲインこそできたものの、「勝てないかもしれない」と真面目からの勝負にビビった自分を悔やんでいます。第2戦の横須賀総合戦では少ないチャンスを活かせず、ボールを奪われ、なにもできないまま終わってしまいました。なによりも相手のエースに対しての1対1の勝負から逃げてしまったこと。本当に情けないです。ここ最近、チームとして、個人てして、確実に成長していると思います。しかし、それはただの途中経過であって、まだまだ未熟なものということを思い知らされました。弱い自分を信頼させるだけの努力をして、絶対に強くなります。』
 
 明るい話題は「1年生優勝」と「モンスター センセーショナルデビュー!」。1年生は前週の柏陽高校との練習試合での反省を生かして見事に優勝。横高より大型で野生的な選手を並べる総合にフィジカルで劣るも、必死のタックルで相手のミスを誘うと、エース・ケントが独走トライを連発した。
 
リョウゴ
『今日はとても楽しいラグビーをすることができました。経験者がいないということもあって、不安なことも多かったけど、チームで一丸となってプレーすることが出来て良かったと思います。個人的にはあまりタックル出来なかったので、これからもっと練習を頑張っていきたいと思いました。』

ケント
『みんないつも以上に声がでていて、自分もみんなからのパスのおかげでトライを取ることができ、結果として優勝ができたのは気持ち良かったです。これからも頑張っていきたいです。』

エイイチロウ
『 柏陽戦での反省点だったディフェンスやオフェンスを練習でやった結果が 試合で出せて、勝てたことが本当に嬉しいです。初めてのトライをしたときは自分でも びっくりしました。これからもっと パスやタックルを上手くなるためにがんばります!』
 
 そして、ついに「モンスター」が公式戦デビューを果たした。身内に対してモンスターなどと表現するのは恥ずかしいが、それほどすごい。2年生WTB・マサシ。3ヶ月前に陸上部から移籍してきたが、大畑大介と同じで自分のスピード・パワーに体がついてこれずにケガを連続。中学時代は陸上の4種で全国大会選手。小学校時代にはレスリングも経験している。ベンチプレスは初めて1ヶ月程度であっさり100キロ越え。スピード、パワー、何より迫力。この日はCのトライゲッターとして出場したが、1試合目はチームが前述のような状態で見せ場なし。しかしDFではほとんどのビッグタックルがマサシだった。2試合目の追浜戦では、ボールを持つたびに貫禄の走りでトライを量産。まだルールが理解できているかは疑問だが、攻守ともにすでにチームの主軸になれる力を証明した。
 
 マサシ
『初めてスタートメンバーとして出場したけど、外で見てるのと実際にやるのとでは想像以上に何もかもが違っていて思い通りにいきませんでした。沢山経験をしてもっとうまくなりたいです。』

 このマサシに分かりやすく触発され、WTBリョウイチの成長が著しい。持ち前のスピードを生かすコース取りを掴みつつある。1年生の台頭、2年生の著しい成長。3年生の意地。秋のスタメンに向けて、各ポジションで熾烈なレギュラー争いが繰り広げられる。


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