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稲垣組卒業セレモニー 『あの日届かなかった7メートル』

2012/03/22

 3月20日、門出を祝福するかのような青空のもと、稲垣組の追い出し試合と卒業セレモニーが行われた。昨年のこの日に熊坂組の追い出し試合が震災の影響で中止となっていたので、今回は「稲垣組&熊坂組 追い出し試合」となった。稲垣組の全8名と熊坂組のタッグ(長島、五十嵐、大住、内田、住田、坂本、浅井、土橋、原がプレー、千葉、太田がサポート、熊坂はケガのため欠場、大河内と野田は欠席)。
 もともとOB戦や追い出し試合というものは、プレッシャーから解放され力の抜けた若手OBが現役時代よりも巧いプレーを連発して現役を苦しめるとういうのが、実はよくある展開だ。それで2代のタッグチームとなれば、現役が苦戦することは想像に易い。

新旧SH対決 リョウヘイvs住田

子弟コンビ 浅井&金山
 いなくなって存在の大きさが痛いほど分かった稲垣組、高校におけるイチサン関係、つまり手の届くはずのない憧れの先輩だった熊坂組。過去の代をすべて超える覚悟のある岩田組にとっては、最大の敬意をもって挑み、倒し切りたい相手。

 前半はAチーム。とはいえ2年生を多くケガで欠くため1年生が多い若い構成。試合展開は、まさに岩田組は岩田組らしく戦い、稲垣組は稲垣組らしく、あの重くて強かったラグビーを披露した。…いや強い。やっぱり稲垣組のFWは本当に強かった。強烈すぎるモール、加えてテツの衰えることないブロー、住田のテンポのいいサバキ、それぞれがまるで現役時代のころのように己を表現し、岩田組を追い詰めた。それでも何とか上級生のランで刻みトライ。前半を12-0で折り返した。



 後半、現役はBチーム。あの化け物モールに1年生たちはやっぱり歯が立たない。BDでもターンオーバーを許すようになり、12-14と逆転。なんとか残り3分で現役が1本取り返して19-14と再逆転して試合時間はゼロ。
迎えたラストワンプレー。神様からの小さなご褒美だろうか。憎いほどのシナリオと結末が待っていた。
 中盤から「全員モールだ!」と稲垣組らしく執拗で強引なモールを繰り出す。思い返せば4ヶ月、エースをケガで欠いたこともあり稲垣組は徹底してモールで東海大相模に挑みかかった。押して押してまた押して、あと7メートルで力尽き、全てが終わった。「あと僅か7メートル、足をかいて押せていたら…」
 
稲垣太一 素晴らしいキャプテンでした。

 目の前の光景に、観客の誰もがあの日の残り7メートルの世界を思い出した。相手がBチームであることなどどうでもよく、ただ太一たちの魂の塊が前進することに深い意味があった。そんなストーリー、そんなドライビングモールは、グランドを囲む全ての人の期待と想いを乗せて、今度こそ最後の7メートルを突き進み、インゴールまで届いた(ゴールも成功し、19-21でノーサイド)。
 ロスタイム逆転サヨナラモールトライ。あの日届かなかった7メートル。ラグビーの神様の粋な計らい。今度こそ泣きっ面でなく爽快な笑顔がはじけるノーサイドとなった。


熊坂組 キャプテン熊坂大輔は青山学院大(対抗戦1部)でプレー予定

試合後に岸先輩の指導を受けるヒロタカ

保護者の皆様、豪華オードブルありがとうございました!



先輩から後輩へ プレーの極意を。


稲垣組保護者挨拶               ブラックホースも参加

窓ガラスには過去の公式戦前寄せ書き



 

 稲垣組のみんな、稲垣組保護者の皆様、3年間本当にお疲れさまでした。立派な生き様でした。激変を乗り越えた熊坂組の想いを引き継ぎ、後輩たちに信じる力の強さを教えてくれました。立派な背中を後輩たちに残してくれました。楕円球を追いかけた高校時代は、輝いた季節になりましたか?
 これからの先の人生、この3年間で得た輝く宝物を大切にしつつも、さらに自分を磨き、飛躍してください。努力の量も、思いの強さも、輝く記憶も、「高校時代が最高だったなぁ」に甘んじることなく、幸せを更新し続けてくださいね。
 
 
 


おまけ

稲垣組卒業贈呈品として、ノートパソコンが部に寄贈されました。データ管理の仕事も多いMGにとって、たいへん嬉しいプレゼントです。本当にありがとうございます!(卒業セレモニーで紹介し損ねてしまい、申し訳ありませんでした。)

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