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1年生デビュー戦 『悦びの入り口』

2012/06/03

 関東大会直前の6月2日、今年も平塚学園と合同練習・B試合・1年生試合を行った。まず行われたA同士の合同練習では、東京都最強FWとの呼び声の高い大東一高を想定したプレーに磨きをかけた。
 続くB戦(20分×2)では、復帰組のシュウヘイ、匠、俊輔らがゲームを作り、26-5の完勝。タイヨウのテンポの良い球さばきと、森上コーチに丁寧に育てられている2年生バックスが成長を証明した。何より良かったのはタックルへの意欲。シゲルらFL陣が旺盛な意欲でタックルを繰り返した。


 最後はメインイベントの1年生試合。13名+2名の助っ人(演劇部在籍・どうかこのまま移籍してください)が、楽しみで仕方がなかった「ラグビーの試合」を楽しんだ。3名の経験者を除く選手にとって、これが人生初試合。タックルができるのか?痛いのか?怖いのか?どうなるのか…、誰も想像できない時間が始まった。
 
 グランドサイドで楽しげに眺める上級生から、驚きの声が何度となく湧き出る。例年の1年生試合とは大きく異なる展開が繰り広げられる。初心者たちが、なんとタックルに刺さりまくっている。
 過去の1年生試合は「どうせ激しくならない」から軽い気分で楽しんで観ることができた。こちらも相手のタックルが怖くてできないから、華麗なステップや意外とつながったナイスパスが歓声を呼ぶ。独走が多く、捕まったとしても上半身に団子のように数人がまとわりつき、ボールは毎度パイルアップとなる。・・・1年生試合とは、そんなもののはず。
 
 前日に「ラグビーはタックルできる選手が一番偉い」という話をした。アタックならば、パスなりキックなりステップなりヒットなり、自分が得意なプレーを選べばよい。ところがDFは相手が向かってきたら、タックル以外に選択肢はない。だからタックルできない選手はチームにとって大きな欠点となる。初心者の高校一年生にとって、いや、国代表選手にとってもタックルは怖い。そんな恐怖心を、責任と信頼、勇気と己のプライドが乗り越える。人間が試される。
 そんなプレーだからこそ、ラグビーではタックルできる人間が最も高く評価される。よいタックルが決まれば、1日ハッピーで過ごせる。ビビッてタックルができず試合が終わってしまえば、後悔は数日間続く。

  そんなタックルの意義を真摯に理解し、タックルに燃えた1年生。「今年の1年生はいいですよ!本当に素直で一生懸命」と平塚学園の薄井監督が太鼓判を押す平学1年生も、同じようにひたむきにタックルを繰り返す。そんなわけで、タックルだらけの1年生試合。華麗なステップも独走も見られず。ケンタのごとく躊躇なき間で刺さる西田を筆頭に、「俺が俺が!」とタックルに走る。まとわりつくのではなく一発で倒すタックルが続くから、モールパイルアップはなくラックの連続。
 奪ったトライ2本は、教えられることなくやってみたラインアウトモール(ボールをモール後部に回すという発想がないので、最前列のジャンパーがボールを持ったまま全員で押し込む!)。20分×2本戦い、10対0というロースコアで勝利した。


駿介 
『この試合では、自分は全く活躍できませんでした。何度もタックルを外され、パスもまともにできず、やっと入れたタックルは高かったり、飛び込みだったり・・・。6月23日には1年生初の公式戦(セブンス)が待っているので、そこで活躍できるよう、気を取り直して練習に励んでいきたいです。FWが強い代ですので、それも生かしながらBKを引っ張っていけるよう、努力していきます。』

西田(右)
『試合が始まる直前は、緊張して体中が震えていました。しかし試合が始まると仲間の力強いプレーに勇気をもらい、自分でも信じられないくらい思い切ったプレーをすることができました。』



 ようこそラグビー悦の世界へ。きついし痛いし擦り傷も絶えない。なのにどんどん中毒に陥っていく。日常生活の会話で「ターンオーバー」や「ハンズ」などラグビー用語が転用されるようになると、楕円球症候群患者の出来上がりだ。やった者にしか分からない味わい、やった者同士の異常なほどの同朋意識。
 ラグビーとの出会いで、きっと人生は変わる。「1回だけでいいから!」と半ば詐欺的強制的に連行された体験入部だったかもしれない。2年数か月後の引退試合、あの日連行してくれた先輩に、きっと深く感謝している。



これもラグビー文化の楽しみ アフターマッチファンクション

平塚学園のみなさん、本当にありがとうございました!



学校で行われた関東大会壮行会


「関東大会出場横断幕」 今年は注目の集まる衣笠駅駅前ロータリー






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