大きくする 標準 小さくする

VS平塚学園 『幸せな試合』 

2013/10/21

 幸せな試合。結果についてではない。花園予選2回戦、平塚学園という心からリスペクトできる素晴らしいチームと、お互いが死力を尽くして戦うという最高の時間を過ごすことができた。

 平塚学園、部員数はなんと50名以上を有するが、リクルートやラグビー推薦など存在しやしない。経験者は横高同様で若干名。部員一丸となって勧誘活動に全力を尽くし、初心者の仲間を増やし、3年がかりで心身を鍛え上げる。何十人部員がいようと、部員と先生方による必死の校内勧誘で増やした仲間だ。一人ひとりの存在価値はきっと大きい。どの一人も、きっと先輩や先生方から深い愛情をかけられていることだろう。毎年恒例となっている「横須賀vs平塚学園 1年生初試合」では、必ず心のこもったアフターファンクションを開いてくれる。
 平塚学園、大切にしているものが横須賀高校ときっと一致している。今日という日は「親の仇」のような気持ちで戦う決戦だがが、本当はお互いが最も理解しあえる同志なのかもしれない。
 

 10月20日、会場は湘南高校。藤沢市全域に気象庁から強風注意報が発令され、豪雨がバチバチと音を立てる。前日から雨を想定してはいたが、「なんだかんだ小雨程度では?」の思い(期待?)は、朝カーテンを開けた瞬間に消えてなくなった。これできっとロースコアの勝負になる。ワンプレーが勝敗を決める。そんな緊張感のあるゲームになる覚悟をして臨んだ。
 
 前半、風下とはいえ全く敵陣に入れない。平学8番10番15番の卓越したキック処理で自陣に釘づけにされる時間が続いた。
ゲームの大きな分岐点となったのは前半8分。しばらく続いた劣勢を、努力と誠実の人ユウヤのビッグタックルで相手ペナルティーを誘って凌ぎ切った。
 前半残り1分、我慢のキックラリーが続く中、チーム一のハンター・リョウスケがジャッカルに成功。自らPGを決めて待望の先制点を奪った。

 後半は風上に立ち、変わらず我慢のゲームメイク。無理に攻めると豪雨暴風によるハンドリングエラーが生じる。ゆえにビハインドは許されない。リードは僅か3点、緊迫感は続く。
 後半15分、ついにゲームが動いた。またもリョウスケのジャッカルで得たボールを展開して待望のトライ。スコアは「8-0」。このコンディションと残り時間を考えると、大きな大きな追加点となった。ラスト10分、ブレイクダウンで決死のコンテストをかけてくる平塚学園に対してペナルティーを重ねてしまったが、落ち着いたゲームメイクで凌ぎ切った。双方死力を尽くして、ノーサイド。

トライシーン!
 試合後、平塚学園の選手たちがいつまでも号泣する姿を見て、どれだけこの試合に懸けていたのか、どれだけ強い絆でチームが結ばれていたのか、どれだけチームが終わってしまったことを受け入れたくないのか、痛いほど伝わってきた。深々と頭を下げたくなった。素晴らしき相手との全力の激闘、やはり幸せな試合だった。

 
トモマサ
『雨で寒い中、応援ありがとうございました。つらいコンディションのなか、接戦をものにすることができて嬉しいです。ダブルタックルの意識が向上してディフェンスが安定し、一人ひとりのタックルも強くなっていることを感じました。個人としては、キックの精度をまだまだ上げなければいけないと感じました。全てをぶつけて闘った平塚学園の気持ちを背負って、さらにステップアップして行きます。』
 
アサト
『二回戦の平塚学園戦は寒い中、本当に応援ありがとうございました。次の試合は待ちに待った関東学院戦なので今まで積み重ねてきた練習を全て出し切れるように最高の準備をして、また希望ヶ丘さん平塚学園さんの思いを背負ってることを忘れずに試合に挑みたいです。春に負けてからFWはここまでかなり成長したはず、だから試合ではまずはFWが圧倒していき、そこでゲームリズムを作り最高の結果が出せるようにがんばります!!応援よろしくお願いします!』
 
ヒロタカ
『今回の試合は、雨というモールでの得点が有効な状況の中、ゴールラインまで押し切れず悔しかった。相手の臨機応変なDFの変化にうまく対応できず、また取りきれないことに焦ってしまった。停滞フェイズでしっかり落ち着いてゲームメイクできるように対策をしたい。』
 
マキ
『本当に勝ててホッとしました。平塚学園は本当に強かったけどチーム全員が自分の責任を果たせた結果だと思います。希望ヶ丘と平塚学園の思いを背負って次も絶対に勝ちます!』

ユウヤ(左から2番目)
『激しい雨の中での試合だったので、僕は心の中で、今日はタックルだけ頑張ろうと決心し、試合に臨みました。そして試合中では、イメージ通りの良いタックルが出来て良かったです。この先の試合でも、自分の得意なプレーしっかり出して、何よりもチームの勝利に貢献出来るよう全力を尽くします。』
 

 ついにたどり着いた。関東学院に。新人戦で関東学院に大敗を喫し、シード権を失ったことから始まった伊藤組。それからひたむきに誠実に努力の日々を重ね、本郷高校に勝ち、日大とはロスタイム、あと1mで勝利という試合を演じ、秋には深谷高校と互角に戦えるチームになった。絶対に負けないと誇れるフィットネスも身につけた。すべては関東学院にリベンジを果たすために。
 抽選会でトモマサが関東学院の山を引き当てた。今日、平塚学園という素晴らしいチームから大きな想いを受け取った。
 すべてが揃った。10月26日、チャレンジャーとして襲いかかる。

 
おまけ
Jコム湘南の番組『部活オーレ』に横高ラグビー部女子マネージャーが特集されました。
特集映像とライブ映像、スタジオ中継を結ぶテレビっぽい構成。これでJコムに特集オンエアしていただくのは5回目。ありがたいことです!Jコムさん、本当にありがとうございます!




おまけ2
モーニングⅡに連載中の本格ラグビー漫画「オールアウト」の2巻が発売中です。
カラー表紙を外してみてください!なんと作者の雨瀬シオリさんと編集の竹本さんが横須賀高校に取材に来た際の様子が、漫画として描かれています!竹本さんによると、今の漫画の明るい雰囲気は、横高ラグビー部の取材の際の影響が大きいそうです!





 

週間カレンダー

22(月)
23(火)
24(水)
25(木)
26(金)
27(土)
28(日)

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード: