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熊本震災募金 『130万円達成 何千人の思い+α』

2016/05/07

 何千人もの優しさが、エネルギーを与え続けてくれた。優しい笑顔、「頑張れよ」一言、無言でも無表情でも、その行い自体から気持ちが伝わってきた。呼びかける声は次第にかれていったが、通りかかる方々の優しさが毎回疲労を回復させてくれた。しんどいとは思えなかった。

 

 4月28・29日、横須賀中央と衣笠の街で熊本震災募金活動を行った。28日は新入生も加えて40人態勢でローテーションを組み合計4時間(横須賀中央駅付近の4カ所)、29日は上級生全員で合計3時間(横須賀中央駅付近2カ所と衣笠駅前、衣笠商店街)。

 

 法政戦後の最初のミーティング。ゲームの映像を確認した直後の選手たちとのやりとり。

「何をやるべき?」

『フィジカル強化です!』

「では目線を変えて、今人間として何かやりたいことない?」

これ以外には、私は何ひとつ口にしていなかった。タイガが即答した。

『募金活動がやりたいです!』

 ヒントも誘導もなく初球ストライク。「募金やるぞ」でやらせるのではなく、彼らからやりたいと言い出してほしいという期待は、一瞬で現実のものとなった(法政戦前からやるつもりで横須賀警察署に道路使用許可は申請していたが)。

 

 数年前に稲垣組で行った東日本大震災の募金活動では、同じように2日間で35万円の募金を集めることができ、神奈川新聞厚生文化事業団を通じて被災地に送ることができた。今回は規模や時期を考えると、目標額は15万円くらいだと思っていた・・・。2日間の合計金額は、なんと130万円(正確には130万1532円+30ドル66セント+各国の硬貨数枚)。札だけで700人以上。小銭を入れると何千人もの方々が協力してくれた。

 

 それほどたくさんの方が支援してくださった一因として、生徒たちが本当に心を込めて活動したということも挙げられるだろう。募金活動の朝、グランドで全員手をつなぎ、目を閉じ、熊本の方々がいま直面している光景を想像した。家族や家や大切な人を失い、絶望の中で悲しみに耐えながら生きている姿など、それぞれが想像した。1分ほどの後、目を開いた。

「だから俺たちなんか何時間募金で立ち続けても、大会直後なのにオフがなくても、そんなん全然余裕だよな?」

『余裕っす!」

こうして横須賀中央に出て行った。

『熊本震災の募金活動を行っています。ご協力よろしくお願いします!』

の型どおりだったフレーズも、30分もすれば自分の言葉に置き換えられていた。

熊本の方々に対する自分たちの思いを、それぞれの言葉で表現した。

タイガやコウダイなんて、呼びかけながらもう泣き出してしまうんじゃないかという表情と声だった。

 

 募金のような活動に対し、多くの方がそれぞれの考えを持っていることだろう。もしかしたら否定的な意見もあるかもしれない。横高ラグビー部がゲーム用ラグビージャージを着て街中に立って呼びかけることにも、色々な意見だってあるのかもしれない。しかし今回、我々のゴールは「熊本に1円でも多くの義援金を届けること」のみ。誰から何を思われようと、そのゴールだけを目指した。

 

 結果、130万円もの義援金を届けることができた。もしかしたら、何千人もの熊本への「何かしたい」という想いを手助けすることができたのかもしれない。もしかしたら、横高ラグビー部の姿を多くの学校の部活動の生徒たちが見て、「いいな!」なり「かっこつけやがって!」なりの後に「俺らも何かやんねぇ?」につながったかもしれない。

 目に見える130万円を超えた何かを生み出し、誰かのためになっていたとすれば、それはたいへん嬉しいことだ。横高ラグビー部が少しかっこよく、大いに誇らしく思えた一日だった。


おまけ
この4月、横高ラグビー部の偉大なる先輩たちが大学ラグビー界の扉をくぐりました!

宇野組キャプテン・宇野明彦 『早稲田大学ラグビー部入部』
合格発表直後の2月から山下大悟監督(私の4・1の後輩)の計らいで、推薦合格組と一緒に入寮!毎日午前午後のフィジカルトレーニングに励み、新人練(セレクション)も突破し、入部を果たしました!2ヶ月で9キロ増!




津田組バイスキャプテン・高橋駿介 『立教大学ラグビー部入部』
偉大なる先輩・岩田健太や濱須涼平の後を追って立教ラグビーへ。私が立教大でフルタイムコーチ(実質ヘッドコーチ)を務めたときのキャプテン西田創(毎年必ず横高を教えにきてくれています)さんが、この春にトップリーグ・NECの現役生活を引退して立教のコーチに就任。立教大の教え子が横高の教え子をコーチします!





 

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