神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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セブンスシリーズ終了 『法政 打倒』
2016/06/23
6月18、19日、全国セブンスの県予選が行われた。昨年はラスト3分で20点差をひっくり返す奇跡の大逆転劇でベスト4となった大会。きわめてセブンス向きの選手が揃っていた宇野組とは異なり、今年のチームは「え?俺がセブンスのメンバー?」と本人が驚くほど、セブンス向きの選手が揃ったとは言えない代だ。その分「全員が強い意志を持ち、組織で戦う」をテーマに掲げて準備をした。
『くじを引けばまた法政』 昨年は2大会連続で法政。今年も関東予選は3年連続の法政。そして今回の抽選結果もまた法政。いったい何の縁か。この3大会で続けて悔しい思いをさせられた相手だ。今年のセブンスチームの目標は「ベストいくつ」ではなく「打倒法政」に定まった。
昨年タマリバクラブのセブンスチームから学ばせてもらったことを軸に、セブンスチームに指名された約10名は、4週間もの間セブンスに特化した練習を行った。関東学院、湘南工大附属、平塚学園、横須賀総合との連戦でこのチームのスタイルを磨いた。セブンスとはいえ、公式戦で法政を倒すためだけに十分な時間と労力を費やした。
大会1日目
初戦の相手は七里ガ浜高校。ひと学年の部員数も経験者数もほとんど横須賀と変わらない。2年生だけのチーム構成だったようだが、油断する大変な目に遭うのがセブンス。次に控える法政戦をいったん忘れ、この試合に集中して臨んだ。
結果は、後半に1年生3名を含める5名のメンバーチェンジを行う余裕を持ちながら「38-0」で勝利。ミスやシンビンを出すなど、初戦特有の不要な緊張によるエラーが多かったが、セブンスの基礎の動きだけで完勝することができた。
2回戦、いよいよターゲットの法政二高戦。「ワンチーム」の意識の元、全部員でウォームアップから盛り上げ、全部員で法政に挑む気持ちでキックオフを向かえた。
たった14分の間で、この試合のために準備してきたスペシャルプレーなど、やりたいことを存分に発揮した。序盤の2分は足が動いていなかったが、その後のほとんどの時間が練習どおりのアタックとDFを発揮することができた。ラストワンプレー。スコアは「12-5」でリード。展開、内容で法政を上回っていたが、スコアだけがタイトなままだった。
さすが法政だった。敵陣インゴール直前で反則をとられると、100mの逆襲。悪夢のような同点トライを許し、「12-12」でノーサイドの笛が鳴った。
準々決勝への進出権は、抽選に委ねられた。横高は約7年ぶりの抽選。それは私が柏陽高校監督としての最後のゲームだった。相手は長年の目標だった横須賀高校。激闘の後、「5-5」の引き分け抽選。制服に着替えてリラックスしている横須賀に対し、柏陽はファーストジャージをいつまでも脱がず、全員で肩を組んで祈りながら抽選を待った。結果、運は柏陽に舞い降りた。
http://hrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=136
(懐かしい激闘の跡。ぜひご覧ください↑)
特別な思いのある法政という相手に対し、よく準備をしてよく戦った。セブンスキャプテンのシュウヘイが戻ってくるまで全部員が密集した状態を保ち、チームとして一体感を持ち続けることで少しでも運が味方して欲しいと思っていた。
大会本部室から修平が戻ってきた。シュウヘイらしい。「勝ちました」の声が申し訳なさそうに小さすぎて、最初はみんな聞き取れなかった。二度目の「勝ちました」で、願いが叶った。特別な相手を乗り越えた(引き分けだが)。4週間の十分な準備が報われた。
反省すべきは、その瞬間に選手たちから「シャァ!!」と1秒だけ声が出てしまったこと。引き分けという結果にも関わらず次戦に進ましてもらうのだ。相手をリスペクトして、喜びをぐっとこらえなければならなかった。すぐに「法政リスペクト!」と、喜びを押し殺したが、あの1秒は猛省しなければならない。
2日目
相手は東海大相模。昨年は全国大会に2大会連続出場(全国選抜、花園)を果たしている全国区の強豪校。ほとんどが推薦で合格した経験者たちで、部員は100名近い。その代表の7名だ。そんな相模に対して、7人の大半が高校からラグビーを始めたチーム編成の横須賀がどれだけ戦えるのか。違いすぎる前提だからこそ、会場を驚かせたいと思って挑んだ。
打倒法政という目標を果たした後だ。もっとのびのびとプレーしたかった。アタックではいつになく焦り、自分たちのセブンススタイルでプレーができなかった。「自信の欠如による焦り」からミスを繰り返してしまった。
それでもDFは強い意志で継続できた。何しろアタックが良くないから展開は劣勢なのに、スコアだけは持ちこたえることができた。
ラスト1分。「0-5」の逆転可能スコア。敵陣ゴール前ラインアウトから、必殺サインに持ちこめる絶好のチャンスが訪れた。あの相模に、この横高が勝つチャンスは、確かに目の前にあった。
あぁ無念。またも焦りによりボールを奪われると、万事休すのロングラントライ。0-12でノーサイドの笛が鳴った。話題を独占できるほどの大金星を目前に逃してしまった。
約1ヶ月のセブンスシリーズは終了。よく考え、しっかりと準備し、自分たちのスタイルを貫き、目標を達成し、大金星を逃した。
悔しい気持ちはあるが、自分たちのやるべきラグビーを貫けば、法政や相模とロスタイムまで勝敗の分からない試合をやることができたという経験は大きい。
残されたのは、最後の夏と最後の花園予選。セブンスで得た自信と経験を、15人制でそのまま活かしていきたい。
と思っていたら、今年も空から信じがたい幸運が降ってきた。
以下、ビッグゲームのお知らせです!
日英親善試合2016
横須賀高校 vs マルボロカレッジ(イギリス)
マルボロカレッジは、昨年のセントポールズスクール同様、イギリス屈指の名門パブリックスクール(私学)。最近ではキャサリン妃やキャメロン首相夫人を輩出するなど、イギリス最高レベルの学力と資産を持たないと入れないと言われている学校です。
試合日時 8月5日(金)夕方
試合会場 YCAC(横浜カントリー&アスレチッククラブ) 日本ラグビー発祥の地
概要
マルボロカレッジは7月末に来日し、菅平で北信越王者の新潟工業と、京都で同志社高校と、東京で早稲田実業とゲームを行い、最終戦としてYCACで横須賀高校と対戦します。
昨年の楽しすぎた経験をまた味わえる幸せ。さらに今年はなんとホームステイも計画中です。昨年はセントポールズのAが慶応高校と、Bが横須賀高校との対戦でしたが、今回はAのみの来日です。
↓ 昨年のセントポールズスクール戦
横須賀の魂をぶつけます!
たくさんの応援よろしくお願い致します!
『くじを引けばまた法政』 昨年は2大会連続で法政。今年も関東予選は3年連続の法政。そして今回の抽選結果もまた法政。いったい何の縁か。この3大会で続けて悔しい思いをさせられた相手だ。今年のセブンスチームの目標は「ベストいくつ」ではなく「打倒法政」に定まった。
昨年タマリバクラブのセブンスチームから学ばせてもらったことを軸に、セブンスチームに指名された約10名は、4週間もの間セブンスに特化した練習を行った。関東学院、湘南工大附属、平塚学園、横須賀総合との連戦でこのチームのスタイルを磨いた。セブンスとはいえ、公式戦で法政を倒すためだけに十分な時間と労力を費やした。
大会1日目
初戦の相手は七里ガ浜高校。ひと学年の部員数も経験者数もほとんど横須賀と変わらない。2年生だけのチーム構成だったようだが、油断する大変な目に遭うのがセブンス。次に控える法政戦をいったん忘れ、この試合に集中して臨んだ。
結果は、後半に1年生3名を含める5名のメンバーチェンジを行う余裕を持ちながら「38-0」で勝利。ミスやシンビンを出すなど、初戦特有の不要な緊張によるエラーが多かったが、セブンスの基礎の動きだけで完勝することができた。
2回戦、いよいよターゲットの法政二高戦。「ワンチーム」の意識の元、全部員でウォームアップから盛り上げ、全部員で法政に挑む気持ちでキックオフを向かえた。
たった14分の間で、この試合のために準備してきたスペシャルプレーなど、やりたいことを存分に発揮した。序盤の2分は足が動いていなかったが、その後のほとんどの時間が練習どおりのアタックとDFを発揮することができた。ラストワンプレー。スコアは「12-5」でリード。展開、内容で法政を上回っていたが、スコアだけがタイトなままだった。
さすが法政だった。敵陣インゴール直前で反則をとられると、100mの逆襲。悪夢のような同点トライを許し、「12-12」でノーサイドの笛が鳴った。
準々決勝への進出権は、抽選に委ねられた。横高は約7年ぶりの抽選。それは私が柏陽高校監督としての最後のゲームだった。相手は長年の目標だった横須賀高校。激闘の後、「5-5」の引き分け抽選。制服に着替えてリラックスしている横須賀に対し、柏陽はファーストジャージをいつまでも脱がず、全員で肩を組んで祈りながら抽選を待った。結果、運は柏陽に舞い降りた。
http://hrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=136
(懐かしい激闘の跡。ぜひご覧ください↑)
特別な思いのある法政という相手に対し、よく準備をしてよく戦った。セブンスキャプテンのシュウヘイが戻ってくるまで全部員が密集した状態を保ち、チームとして一体感を持ち続けることで少しでも運が味方して欲しいと思っていた。
大会本部室から修平が戻ってきた。シュウヘイらしい。「勝ちました」の声が申し訳なさそうに小さすぎて、最初はみんな聞き取れなかった。二度目の「勝ちました」で、願いが叶った。特別な相手を乗り越えた(引き分けだが)。4週間の十分な準備が報われた。
反省すべきは、その瞬間に選手たちから「シャァ!!」と1秒だけ声が出てしまったこと。引き分けという結果にも関わらず次戦に進ましてもらうのだ。相手をリスペクトして、喜びをぐっとこらえなければならなかった。すぐに「法政リスペクト!」と、喜びを押し殺したが、あの1秒は猛省しなければならない。
2日目
相手は東海大相模。昨年は全国大会に2大会連続出場(全国選抜、花園)を果たしている全国区の強豪校。ほとんどが推薦で合格した経験者たちで、部員は100名近い。その代表の7名だ。そんな相模に対して、7人の大半が高校からラグビーを始めたチーム編成の横須賀がどれだけ戦えるのか。違いすぎる前提だからこそ、会場を驚かせたいと思って挑んだ。
打倒法政という目標を果たした後だ。もっとのびのびとプレーしたかった。アタックではいつになく焦り、自分たちのセブンススタイルでプレーができなかった。「自信の欠如による焦り」からミスを繰り返してしまった。
それでもDFは強い意志で継続できた。何しろアタックが良くないから展開は劣勢なのに、スコアだけは持ちこたえることができた。
ラスト1分。「0-5」の逆転可能スコア。敵陣ゴール前ラインアウトから、必殺サインに持ちこめる絶好のチャンスが訪れた。あの相模に、この横高が勝つチャンスは、確かに目の前にあった。
あぁ無念。またも焦りによりボールを奪われると、万事休すのロングラントライ。0-12でノーサイドの笛が鳴った。話題を独占できるほどの大金星を目前に逃してしまった。
約1ヶ月のセブンスシリーズは終了。よく考え、しっかりと準備し、自分たちのスタイルを貫き、目標を達成し、大金星を逃した。
悔しい気持ちはあるが、自分たちのやるべきラグビーを貫けば、法政や相模とロスタイムまで勝敗の分からない試合をやることができたという経験は大きい。
残されたのは、最後の夏と最後の花園予選。セブンスで得た自信と経験を、15人制でそのまま活かしていきたい。
と思っていたら、今年も空から信じがたい幸運が降ってきた。
以下、ビッグゲームのお知らせです!
日英親善試合2016
横須賀高校 vs マルボロカレッジ(イギリス)
マルボロカレッジは、昨年のセントポールズスクール同様、イギリス屈指の名門パブリックスクール(私学)。最近ではキャサリン妃やキャメロン首相夫人を輩出するなど、イギリス最高レベルの学力と資産を持たないと入れないと言われている学校です。
試合日時 8月5日(金)夕方
試合会場 YCAC(横浜カントリー&アスレチッククラブ) 日本ラグビー発祥の地
概要
マルボロカレッジは7月末に来日し、菅平で北信越王者の新潟工業と、京都で同志社高校と、東京で早稲田実業とゲームを行い、最終戦としてYCACで横須賀高校と対戦します。
昨年の楽しすぎた経験をまた味わえる幸せ。さらに今年はなんとホームステイも計画中です。昨年はセントポールズのAが慶応高校と、Bが横須賀高校との対戦でしたが、今回はAのみの来日です。
↓ 昨年のセントポールズスクール戦
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