神奈川県立横須賀高校ラグビー部
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村上組始動 『Determination』
2016/11/22
ベスト8という結果目標は実らなかったが、「Independence」というテーマ通りの道を堂々と歩み、「多くの人から応援されるチーム」というもう一つの目標を達成した塩島組。その引退の翌日、新しい代がスタートした。
例年は引退した3年生と監督の私が話し合い、キャプテンとバイスキャプテンを指名していたが、今年は「全部員投票」という新しいスタイルを採用した。
開票を経た翌日、塩島組に続く新しいチーム・村上組(キャプテン・タカキ)が発足した。バイスキャプテンはFLのタケルが選出された。キャプテン、バイスともに高校からラグビーを始めた未経験者という例は、歴史をさかのぼっても10年以上は前になるだろう。
タカキは1年生のときから学年のリーダーとして、同学年に対して大きな影響力を持つ存在だった。特別仲の良かったチームメイトたちが同時に部を去り、一人残されたような苦しい気持ちに潰されそうになった日もあった。それでも人一倍強い責任感と使命感を胸に、寂しくても自分はチームに残った。そんな辛い経験を乗り越えるときに自ら作り上げた決意と覚悟。きっとその頃から、自分がキャプテンになる心は決まっていた。キャプテン決めの投票、自分自身に投票したのはタカキだけだった。もちろん、ほぼ全会一致でキャプテンに指名された。
プレーヤーとしてはFBとして塩島組の主軸だった。打倒相模の戦術も定まったころ、まさかの悲劇が待ち受けていた。花園予選初戦で想像もしなかった負傷(病気)。長期間の入院生活。東海大相模戦の前日、最後のミーティングに間に合うように無理やり退院したが、歩くこともできない状態だった。愛する先輩たちの引退をピッチの外から見つめることしかできなかった。悲しさと申し訳なさとで、誰も想像が及ばないほど苦しい心中だっただろう。
見た目は爽やかだが、苦しみを乗り越えた過去とその過程で築き上げた強い決意がある。悩める下級生に心を寄せることができる優しさも。絶対的圧倒的リーダーだった宇野明彦、誰からも愛される闘将塩島航太朗、見てきた2人のキャプテンとはタイプは全く異なるが、使命感と責任感は決して劣らないはずだ。
バイスキャプテンはタケル。タカキとバランスをとるかのような存在。不言実行・粉骨砕身。球技選手でなく、格闘家か、いや労働者とも呼びたくなる「ザ・フランカー」。多くの投票用紙に「あれだけ身体を張る人なら付いていきたくなる」と記されていた。どんなに理を追求しても最後は「気持ち」。科学的最善を追求しても、最後は非科学の力が勝敗を決める。それがラグビー。「ラグビーはタックルできる奴が一番偉い」の大義からして、タケルは問答無用のリーダーなのだ。
もちろん、3年生の投票用紙に多く書いてあったように「ウェイトでも練習でも最も自分を追い込んで努力しているから」という裏付けは、チームの誰もが納得するところだろう。
例年通り、「目標設定」「班の再編」「班の活動目標設定」「リーダー制再編」「戦術協議」「昨年の全項目総括」など1週間かけて全部員が当事者として考え抜いた。そのような過程を経て、村上組のテーマが決まった。
『Determination』和訳すると「断固たる決意」の意だ。
実はこの代、1年生のころから全くと言っていいほど、勝ったことがない。タッチフット大会では近隣の公立校にも勝てず、横須賀市1年生セブンスでは例年は決勝を戦うことの多い「横須賀1年A」と「横須賀1年B」で最下位決定戦という屈辱の試合を経験した。15人制になっても、湘南工大1年生にはリンチに遭わされ、A同士ならボロ勝ちする公立校の1年生チームにも敗れた。先輩たちがどれだけ勝利しようと、「自分たちの代は最下層からの闘い」という自覚はずっと持っていたはずだ。
1週間かけた話し合いでも、過信や勘違いは全くなかった。目標は塩島組の果たせなかった「ベスト8入り」だが、その手前にある階段を一段ずつ上ることから考えるべきだとしっかり認識している。己たちの今の立ち位置と、これから上る山の高さ。それをしかと見つめて生まれたテーマが「Determination」なのだ。
実はこのテーマ、3年前の津田組テーマ「覚悟」と似ている。岩田組・伊藤組という華やかで圧倒的な才能のひしめく先輩たちとはことなり、「いびつなジャガイモ集団」と保護者が評したほどの無才能集団だった(ごめんね)。そんな己たちをよく自覚し、津田組は実直に愚直に努力と戦術を遂行した。発足時はノーシードだったはずなのに、気が付けば関東大会(茨城県開催)のブロック決勝のグランドに立っていた。
タカキ(キャプテン)
『伝統ある横須賀高校ラグビー部のキャプテンをさせていただくことになり光栄に思います。と同時に、自分がこのチームの先頭にたって引っ張っていくことに強い責任を感じます。ミーティングを重ねるに連れて自分達の強み、弱みというのがわかってきて、またどうやったら勝てるのかというこの代の方向性が見えてきました。
3年生という優しく偉大な先輩達が引退して残してくれたもの、さらに自分達に必要なものを一つ一つ考えながらチームの目標である「決意」をもって、自分から率先して練習に取り組んでいきたいと思います。そして、残り一年という短い期間の中でチーム一丸となってシード校を倒せるように努力していきたいと思います。
最後になりましたが、OBの方々、保護者の皆様に日々感謝の気持ちを忘れずに、そして見ていて感動させることのできるようなラグビーをしていきたいと思います。これからも横須賀高校ラグビー部をよろしくお願い致します。』
タケル(バイスキャプテン)
『バイスキャプテンが自分に決まったときは少し驚きましたが、引退した先輩方からだけでなく、現役からも選ばれた身として、期待に応えたいと思います。
どんなときでも自分が率先してトレーニングに励み、体を張っている姿を示すことで、あまり発言力のない自分がバイスキャプテンとして、ストレングスリーダーとしての責務を全うできると考えています。それを体現できるようこれから努力していきます。よろしくお願いします。』
ストラテジー班(リーダー・タカキ)
ストレングス班(リーダー・タケル)
モラル班(リーダー・ヒデヨシ)
『今年は、モラル面で一番「時間」に厳しくやっていきたいです。また、例えば、ゴミが落ちていたらそれを見逃すのではなく全員が拾ってゴミ箱に捨てるということができるように、呼びかけていきます。それをするためにまず自分から行動していきます。』
パッション班(リーダー・ケンタロウ)
『村上組でパッションリーダーを務めることになりました。塩島組は、全体で声を出して盛り上げていく一緒にいて楽しいチームでした。それ以上のチームを作るのが今年のパッション班の目標です。同じ学年のパッション班は僕だけで多くの不安があります。ですが、パッション班一年生4人は面白くとても頼りになるので、僕が引っ張っていくというより、パッション班5人が一丸となって、村上組を横須賀らしくアゲアゲで盛り上げていきます!頑張りましょう!』
マネージメント班(かほる、みなみ)
『最上級生として責任感を持って行動したいと思います。また、誰に見られても恥ずかしくないような、横須賀高校だけのラグビー部マネージャーになります。そのために次の次の次の次の事まで予測して何が起こるか、何が必要かを考えて素早くかつ効率良く行動します。』
『効率・丁寧さ・速さを意識して、選手がラグビーに打ち込める環境を作っていきます。そして、宇野組と塩島組に継ぎ、愛されるチームでいられるよう選手と共にどんなことにも全力で取り組みたいと思います。』
相模戦に日の塩島組の先輩たちの姿と言葉は、決して忘れてはならない。村上組に下る階段はない。やればやるだけ上るだけ。
「Determination」村上組の闘いが始まった。
ファーストミーティング前に行った練習試合。自分たちの力と立ち位置が再確認できました。
昨年度キャプテン・宇野明彦が早稲田で頑張っています!!
例年は引退した3年生と監督の私が話し合い、キャプテンとバイスキャプテンを指名していたが、今年は「全部員投票」という新しいスタイルを採用した。
開票を経た翌日、塩島組に続く新しいチーム・村上組(キャプテン・タカキ)が発足した。バイスキャプテンはFLのタケルが選出された。キャプテン、バイスともに高校からラグビーを始めた未経験者という例は、歴史をさかのぼっても10年以上は前になるだろう。
タカキは1年生のときから学年のリーダーとして、同学年に対して大きな影響力を持つ存在だった。特別仲の良かったチームメイトたちが同時に部を去り、一人残されたような苦しい気持ちに潰されそうになった日もあった。それでも人一倍強い責任感と使命感を胸に、寂しくても自分はチームに残った。そんな辛い経験を乗り越えるときに自ら作り上げた決意と覚悟。きっとその頃から、自分がキャプテンになる心は決まっていた。キャプテン決めの投票、自分自身に投票したのはタカキだけだった。もちろん、ほぼ全会一致でキャプテンに指名された。
プレーヤーとしてはFBとして塩島組の主軸だった。打倒相模の戦術も定まったころ、まさかの悲劇が待ち受けていた。花園予選初戦で想像もしなかった負傷(病気)。長期間の入院生活。東海大相模戦の前日、最後のミーティングに間に合うように無理やり退院したが、歩くこともできない状態だった。愛する先輩たちの引退をピッチの外から見つめることしかできなかった。悲しさと申し訳なさとで、誰も想像が及ばないほど苦しい心中だっただろう。
見た目は爽やかだが、苦しみを乗り越えた過去とその過程で築き上げた強い決意がある。悩める下級生に心を寄せることができる優しさも。絶対的圧倒的リーダーだった宇野明彦、誰からも愛される闘将塩島航太朗、見てきた2人のキャプテンとはタイプは全く異なるが、使命感と責任感は決して劣らないはずだ。
バイスキャプテンはタケル。タカキとバランスをとるかのような存在。不言実行・粉骨砕身。球技選手でなく、格闘家か、いや労働者とも呼びたくなる「ザ・フランカー」。多くの投票用紙に「あれだけ身体を張る人なら付いていきたくなる」と記されていた。どんなに理を追求しても最後は「気持ち」。科学的最善を追求しても、最後は非科学の力が勝敗を決める。それがラグビー。「ラグビーはタックルできる奴が一番偉い」の大義からして、タケルは問答無用のリーダーなのだ。
もちろん、3年生の投票用紙に多く書いてあったように「ウェイトでも練習でも最も自分を追い込んで努力しているから」という裏付けは、チームの誰もが納得するところだろう。
例年通り、「目標設定」「班の再編」「班の活動目標設定」「リーダー制再編」「戦術協議」「昨年の全項目総括」など1週間かけて全部員が当事者として考え抜いた。そのような過程を経て、村上組のテーマが決まった。
『Determination』和訳すると「断固たる決意」の意だ。
実はこの代、1年生のころから全くと言っていいほど、勝ったことがない。タッチフット大会では近隣の公立校にも勝てず、横須賀市1年生セブンスでは例年は決勝を戦うことの多い「横須賀1年A」と「横須賀1年B」で最下位決定戦という屈辱の試合を経験した。15人制になっても、湘南工大1年生にはリンチに遭わされ、A同士ならボロ勝ちする公立校の1年生チームにも敗れた。先輩たちがどれだけ勝利しようと、「自分たちの代は最下層からの闘い」という自覚はずっと持っていたはずだ。
1週間かけた話し合いでも、過信や勘違いは全くなかった。目標は塩島組の果たせなかった「ベスト8入り」だが、その手前にある階段を一段ずつ上ることから考えるべきだとしっかり認識している。己たちの今の立ち位置と、これから上る山の高さ。それをしかと見つめて生まれたテーマが「Determination」なのだ。
実はこのテーマ、3年前の津田組テーマ「覚悟」と似ている。岩田組・伊藤組という華やかで圧倒的な才能のひしめく先輩たちとはことなり、「いびつなジャガイモ集団」と保護者が評したほどの無才能集団だった(ごめんね)。そんな己たちをよく自覚し、津田組は実直に愚直に努力と戦術を遂行した。発足時はノーシードだったはずなのに、気が付けば関東大会(茨城県開催)のブロック決勝のグランドに立っていた。
タカキ(キャプテン)
『伝統ある横須賀高校ラグビー部のキャプテンをさせていただくことになり光栄に思います。と同時に、自分がこのチームの先頭にたって引っ張っていくことに強い責任を感じます。ミーティングを重ねるに連れて自分達の強み、弱みというのがわかってきて、またどうやったら勝てるのかというこの代の方向性が見えてきました。
3年生という優しく偉大な先輩達が引退して残してくれたもの、さらに自分達に必要なものを一つ一つ考えながらチームの目標である「決意」をもって、自分から率先して練習に取り組んでいきたいと思います。そして、残り一年という短い期間の中でチーム一丸となってシード校を倒せるように努力していきたいと思います。
最後になりましたが、OBの方々、保護者の皆様に日々感謝の気持ちを忘れずに、そして見ていて感動させることのできるようなラグビーをしていきたいと思います。これからも横須賀高校ラグビー部をよろしくお願い致します。』
タケル(バイスキャプテン)
『バイスキャプテンが自分に決まったときは少し驚きましたが、引退した先輩方からだけでなく、現役からも選ばれた身として、期待に応えたいと思います。
どんなときでも自分が率先してトレーニングに励み、体を張っている姿を示すことで、あまり発言力のない自分がバイスキャプテンとして、ストレングスリーダーとしての責務を全うできると考えています。それを体現できるようこれから努力していきます。よろしくお願いします。』
ストラテジー班(リーダー・タカキ)
ストレングス班(リーダー・タケル)
モラル班(リーダー・ヒデヨシ)
『今年は、モラル面で一番「時間」に厳しくやっていきたいです。また、例えば、ゴミが落ちていたらそれを見逃すのではなく全員が拾ってゴミ箱に捨てるということができるように、呼びかけていきます。それをするためにまず自分から行動していきます。』
パッション班(リーダー・ケンタロウ)
『村上組でパッションリーダーを務めることになりました。塩島組は、全体で声を出して盛り上げていく一緒にいて楽しいチームでした。それ以上のチームを作るのが今年のパッション班の目標です。同じ学年のパッション班は僕だけで多くの不安があります。ですが、パッション班一年生4人は面白くとても頼りになるので、僕が引っ張っていくというより、パッション班5人が一丸となって、村上組を横須賀らしくアゲアゲで盛り上げていきます!頑張りましょう!』
マネージメント班(かほる、みなみ)
『最上級生として責任感を持って行動したいと思います。また、誰に見られても恥ずかしくないような、横須賀高校だけのラグビー部マネージャーになります。そのために次の次の次の次の事まで予測して何が起こるか、何が必要かを考えて素早くかつ効率良く行動します。』
『効率・丁寧さ・速さを意識して、選手がラグビーに打ち込める環境を作っていきます。そして、宇野組と塩島組に継ぎ、愛されるチームでいられるよう選手と共にどんなことにも全力で取り組みたいと思います。』
相模戦に日の塩島組の先輩たちの姿と言葉は、決して忘れてはならない。村上組に下る階段はない。やればやるだけ上るだけ。
「Determination」村上組の闘いが始まった。
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